2019年になってビットコインを始めとした仮想通貨(暗号資産)の価格上昇のニュースで盛り上がる中、Libra(リブラ)という新しい仮想通貨も評判になっています。
LibraはFacebookが開発した仮想通貨で、潜在利用者がビットコインを超えるほど将来性があり、アメリカ政府でさえ動向を注視する大物です。
今回はリブラの特徴や将来性についてまとめつつ、リリース後にLibraを日本で購入する方法について書きたいと思います。
Libraとは?
まずは新仮想通貨:Libra(リブラ)の概要について解説します。
Libra=Facebookの仮想通貨?
「Libraはフェイスブックが作り発展させていく仮想通貨である」といった論調があります。
しかし実は既にFacebookのプロダクトの枠を超えて、25社以上の企業から構成されるリブラ協会によって運営されています。
Libra協会とは
Libra協会のメンバー企業を下表にまとめました。
多くの人が知っている蒼々たる多様な企業、非営利組織、多国間組織、および学術機関によって構成されており、ガバナンス策定や戦略立案を行い、それらを運営します。
【決済】 |
【ブロックチェーン】 |
【非営利組織、多国間組織、および学術機関】 |
【通信】 |
【テクノロジー】 |
【ベンチャーキャピタル】 |
なおLibra協会のメンバーは、2020年前半に予定されている運用開始までに約100に増える見込みということで、一大勢力を築く模様です。
Libraが実現したい世界
なぜこれほどまでに多くの企業から協賛してもらえているか?
筆者が推測するに、Libraが実現したい世界=ビジョンが素晴らしいからだと思います。
誰もが送受金や支払いや資産構築ができる、よりインクルーシブな世界規模の金融システムを実現します。
(引用:Libraのホームページの「ビジョン」より)
ビットコインのような仮想通貨が流行っているのは先進国であり、特に投資家による投資資金が中心になっています。
つまり富める者がさらに富を求めるために使われているのが実情です。
一方でLibraはそういった富める者だけでなく、金融サービスが行き届かない社会を含む全方位的な貢献を目指しています。
Libraのミッションは数十億人のエンパワーメントにつながる、シンプルでグローバルな通貨と金融インフラを提供することです。
その結果、世界中の人の生活が向上する。
(引用:Libraのホームページより)
Libraのユーザー側から見た特徴
上記のような理想のサービスを実現するためにLibraはどのような特徴を持つのか?について、詳しく見ていきましょう。
Libraの利用用途
Libraは通貨として利用されることを想定されています。
通貨の単位はそのままで「Libra」。
Libraを日常生活で使えて、現金と同じくらい信頼できて、現金よりも便利な新しい通貨としての普及を目指しているようです。
デジタルなので現金より便利なのは当たり前ですが、現金と同じくらい信頼できるってところがLibraの最も大きなチャレンジのように思えます。
そのチャレンジの成功要因となりそうなのがリザーブという仕組みです。
Libraのリザーブとは?
Libraは価値が現実の資産によって完全に担保されるリザーブという仕組みを導入しています。
生成された通貨:1Libraごとに担保資産をLibraリザーブとして保持することで、実態価値への信用を確保します。
【リブラ・リザーブの例】 換金レート:1Libra=1円 100Libraを100円で購入 ↓ ↓ ↓ Libraの運営側は受け取った100円を信頼性の高い金融資産で確保 |
1年に10倍にも5分の1にも価格変更を起こす従来の仮想通貨とは全く違いますね。
Libraの価値を担保する具体的な方法は?
価値を担保すると簡単に言いますが、それが何より難しいのは株、投資信託、仮想通貨などの金融資産を運用したことがある人なら誰もが知っています。
ではLibraリザーブはどのように価値を担保するのか?
この辺りはホワイトペーパーにしっかり記載があります。
安定性と信頼性のある中央銀行が発行する通貨での銀行預金や短期国債など、価格変動率の低い資産の集合体により裏付けられます。
(引用:Libraのホワイトペーパーより)
種明かしは簡単で、ほとんど価格変動がない資産で確保します。
Libraの投資商品としての魅力は?
信頼性の高い資産で価値の下落から守るとなると、逆に言えば価値の上昇も抑制されることになり、ビットコインのような投資商品として魅力が無いのでは?と思う人も多いでしょう。
この疑問に対する答えはズバリYes!
Libraの目的はあくまで世界中で使用される暗号通貨であり、決済や為替手段として普及したいと考えているため、そもそも価格の上昇は期待していません。
また預金や国債から得られる利息も基本的には運営経費に回されるため、保有者はキャッシュバックを期待できないようです。
リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。
ユーザーにとって何がメリットなのか?
極論言うとLibraの用途は現金と変わらず、投資商品としてのうまみもありません。
それでもユーザーにとってデジタル通貨ならではのメリットがたくさんあります。
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友達が世界のどこにいても携帯電話でメッセージを送信できるのと同じように、Libraを利用すれば簡単に送金できます。
またLibra自体が預金口座の代わりになるため、銀行口座を持たないユーザーでもLibraを蓄え、瞬時に簡単に安価な手数料でLibra(デジタル通貨)を送れるようになるはずです。
さらに発展すれば銀行機能だけでなく、証券、FX、ソーシャルレンディングなど様々な金融商品へLibraからアクセスするような世界が実現されるかもしれません。
しかし、マネーロンダリングなど金融犯罪の悪用ルートが広がることにも繋がり、金融界は大混乱に陥りそうだと金融の世界でサラリーマンをやってる筆者は不安を覚えます。
仕事が増えるよ・・・。
【仮想通貨の基盤技術:ブロックチェーンの活用事例】
Libraの技術側から見た特徴
ここまでユーザーの観点でLibraについて解説してきました。
次に技術側からLibraを考察してみます。
Libraのブロックチェーン
仮想通貨といえば、やはりブロックチェーンは欠かせない要素ですね。
Libraは独自ブロックチェーンで構築されており、以下のような思想を持って作られています。
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特にスケーラビリティ~ストレージシステムの4つの特徴は、ビットコインの技術面的おける負の特徴を皮肉るかのようです。
ビットコインが現金のような決済手段として広がらないのは上記の特徴に欠けていること、そして価格変動が大きいことが要因と言われています。
これら負の特徴をLibraは全て解消すると宣言しているのです。
ではどのような手段を用いることで技術的課題を解消しようとしているのでしょうか?
【ブロックチェーンの参考記事】
取引の承認はBFT方式
合意形成(取引承認)のアルゴリズムには「Libra BFT」という仕組みが使われています。
BFTはビザンチン・フォールト・トレランスの略で、取引の承認についてリーダーのノード(コンピュータ)が情報の伝播、検証、反映を行うものです。
とはいえリーダーだけで取引承認を行うと不正利用に繋がりかねないため、バリデータ(妥当性確認)のノードを当初はリブラ協会のメンバーが行います。
ビットコインなど多数の仮想通貨では合意形成アルゴリズムにPoW(プルーフ・オブ・ワークの略)が用いられており、決済で使うにはいくつかの課題がありました。
【PoWの主な課題】
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Libra BFTの合意形成がこれらの課題をクリアし、決済や為替で使ってもらえる真のデジタル通貨を目指しているようです。
独自プログラミング言語:Move
Libraブロックチェーンにロジックやスマートコントラクトを実装する際には、Libra独自のプログラミング言語:Moveを使う必要があります。
Moveは以下の特徴を持った新しい技術です。
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セキュリティや安全性に気を使っていること、コードを容易にすること、オープンなプラットフォームとして開発者が参画しやすいことといった特徴があるようです。
日本でLibraをいち早く購入する方法は?
Libraを購入するには協会メンバーに関わる仮想通貨取引所を使っていることが早道に感じますが、まだ日本の取引所はおろか、日本企業は1つもメンバーに入っていません。
しかしマネックスグループがLibra協会への参画を申請しているという有力情報が出ています。
マネックスグループの仮想通貨取引所といえばCoincheck(コインチェック)があるので、今のうちにコインチェックの口座を持っておくと、Libra購入のアドバンテージになるかもしれませんね。
以上、本日はここまで。
それでは!
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