2022年3月、FRB=アメリカ連邦準備理事会のパウエル議長が「政策金利を引き上げるべき」と発表しました。
金融引き締めとは金利を上げることを意味しており、インフレをストップさせる効果があります。
その反面、不景気の要因にもなるため、株価下落の懸念が出てきます。
アメリカの金利上昇に対して私たちはどのように対処していったらよいのでしょうか。
2022年、金利上昇時代における投資戦略を考えてみます。
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2022年3月 ついにアメリカが金利上昇に踏み切った
2022年3月、ついにアメリカの政策金利が上昇に転じ、0.25% → 0.5%となりました。
2022年内に追加で2回の金利上昇も見込まれていて、今後の経済活動や株価市場などへの影響が注目されています。
金利上昇で株価は暴落する?
金利が上昇すると市場取引の勢いが減ると言われています。
例えば企業が設備投資にお金を借りるなら、金利が安いうちに借りたいですよね。
個人も家を買うために住宅ローンを組むなら、金利を安く抑えたいです。
つまり金利上昇は市場の勢いを殺し、次第に不景気をもたらすと言われています。
会社四季報オンラインにおいても、アメリカの金利上昇によって株価下落を予想する記事が出ています。
今後、株価は機会があるごとに下落するかもしれない (小幡 績氏の記事より抜粋)
相場のサイクル理論で見る2022年3月の現在地
アメリカ金利上昇 → 株価下落の道筋は本当に正しいのでしょうか?
これを考えるうえで相場のサイクル理論が参考になります。
株式相場は、政策による様々な影響を受けて、好景気と不景気を繰り返すというものです。
アメリカ政策金利上昇は、「業績相場」から「逆金融相場」へ移る転換点と言えそうです。
つまり最高の景気状況から徐々に後退する場面にいます。
では即座に株価は下落に転じるのでしょうか?
金利上昇局面でも意外に株価は上昇する
下図は金利上昇局面におけるアメリカ株の動きです。
青色線が示すように①1998年~2000年、②2004年~2007年、③2015年~2019年の3回の金利上昇局面がありました。
その局面において、オレンジ色線のS&P500(アメリカを代表する平均株価指標)も上昇していることが分かります。
つまり過去3回は金利上昇 ≠ 株価下落となっていることが分かります。
金利上昇による不景気は徐々に訪れる
金利上昇が株式市場に全く影響を与えないと言うつもりはありません。
金融引き締めは企業や個人の消費を低下させ、不景気をもたらすことに間違いはないからです。
金利上昇とあわせて株価が上昇する現象がなぜ起きるのか?
筆者の見解としては、金融引き締めが景気に悪影響をもたらすまでには時間がかかると考えています。
株式の売り時はいつなのか?
金利が上がっても株価が上昇を続けるなら、いつ株式を売ったらいいのでしょうか。
筆者は「株価暴落を象徴する悪い出来事が起きる」ことがターニングポイントと考えています。
上のグラフで示した3つの期間においても、ターニングポイントとなるビッグイベントが起きました。
①1998年~2000年 ITバブル崩壊
②2004年~2007年 リーマンショック
③2015年~2019年 コロナショック
こういった出来事が起きた時に思い切って売ることができれば、収益を確保するために遅すぎるわけではありません。
イベントが起きてから売るのは遅すぎないか?
ビッグイベントが起きたらすぐに株価は下がってしまうのでは?
そう思われる人もいるでしょう。
しかし意外と株価の下落開始のタイミングはニュースに遅れてやってきます。
直近の例では、2020年2月にコロナショックで世界中の株式が暴落した時も、1週間ほど前から予兆はありました。
予兆となるニュースを早めにつかむことができていれば、売り抜けることは可能だと思います。
2022年の筆者の投資戦略
最後に今後の戦略についてまとめます。
- 金利上昇局面においても、株式や投資信託の積立投資を地道に行う
- 景気に悪影響を与える出来事に即時気づけるように海外ニュースを収集する
- 世界(特にアメリカ)経済に打撃を与えると思ったら、ためらうことなく売る
以上、本日はここまで。
それでは!
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