SBISL|テクノシステム詐欺直撃で廃業へ!これからのソーシャルレンディングの選び方を語ろう

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディング業界最大手のSBIソーシャルレンディング(以下、SBISL)が廃業することを決定しました。

 

某ファンドでテクノシステム社へ融資したのが運の尽きとなり、テクノシステム社が別の融資に絡んだ詐欺容疑をかけられてしまい、倒産してしまったのです。

 

今回はSBISLの廃業やテクノシステム社の事件について説明するとともに、今後のSL投資の正しい選び方についても解説します。

 

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SBISLの廃業に追い込まれた理由は?

SBISLは、2011年3月から10年ほど運営してきたソーシャルレンディングの業界最大手企業です。

ソーシャルレンディングとは、上図のとおり融資を求める企業と投資家をつなぐ金融サービスを指します。

 

企業にとっては銀行以外の貸出先を見つけることができ、投資家にとっては定期預金に比べて何百倍も高い金利収入を得ることができるため、2016年頃から市場が拡大してきました。

 

SBISLは2011年から10年ほど運営を続けており、累計で約1,700億円のファンド組成実績があります。

 

そんなSBISLがなぜ廃業に追い込まれたのでしょうか?

 

金融庁からの営業停止処分が発動!

SBISLが退場した最大のきっかけは、金融庁から1か月の営業停止処分が下ったことにあります。

 

営業停止という厳しい処分が下った理由は、募集時点でSBISLが誤った情報を流してしまったファンドがデフォルトしてしまい、約150億円の投資家資金が損失を被ってしまったためです。(最終的にはSBISLが損失補填したので投資家は無傷)

 

貸付先は太陽光発電関連のテクノシステムという会社で、そもそもSBISL自体も騙されたと被害者であることを主張していますが、貸付審査がずさんだったのは言うまでもないでしょう。

 

金融庁から処分を受けることが決まったことで、親会社のSBIホールディングスはSBISLの会社整理とソーシャルレンディング事業からの撤退を決断しました。

 

 

詐欺事件となったファンドの概要

貸付先の詐欺行為が発覚したのは2019年に募集された「SBISLメガソーラーブリッジローンファンド」の24号と25号です。

 

利回りが高いことで人気のシリーズ商品でした。

 

同じシリーズでも貸付先企業が異なるようで、24・25号以外の損失は明らかになっていません。

 

ここで集められた資金は、太陽光発電事業に使われるのが当初の目的でした。(下表は24号ファンドの例)

資金使途借手が行う太陽光発電事業のプロジェクト資金の一部(売電権利及び事業用地使用権の取得費、建設費その他諸経費等)
貸付額9億1,000万円
所在地福島県田村郡
土地面積24,912㎡(各登記事項証明書記載の地積の合計値)
売電価格21円/kWh

 

しかし、資金が集められた後に太陽光発電事業が行われるはずの場所に全く工事の計画が無いことが発覚しました。

 

メガといってもソーラー発電所の工事はそれほど期間が必要なものではなく、せいぜい半年~1年もあれば建設可能です。

 

そうこうしてるうちに、貸付先の母体にあたるテクノシステム社倒産の噂が流れ始めました・・。

 

テクノシステム社とは?

社名株式会社テクノシステム
本社所在地/連絡先【本社】
〒220-8119
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワーC棟19階
Tel:045-319-4200 Fax:045-319-4201
設立平成21年12月16日
資本金5千万円

テクノシステム社は2009年に創業した新エネルギー関連の企業です。

 

2019年には161億円の売上げをあげ、新しいエネルギー関連では名の通った企業でした。

 

特に俳優の小泉孝太郎がイメージキャラクターを務めていたことや、元総理の小泉純一郎氏とテクノシステム社の生田社長の対談の記事広告が日経新聞に掲載されたことで、全国的に有名になるきっかけとなりました。

(引用:テクノシステムのYouTube CMより)

 

テクノシステムは派手なプロモーションという明るい面がある一方で、支払遅延情報が流れ、経営危機が取り沙汰されるという暗い一面も持っていました。

 

資金繰りの苦しさは金融機関との取引にも表れており、取引銀行の総数は30を超えていたと言われています。

 

そしてついにSBISLファンドへの返済が滞ってしまいました。

 

第三者委員会による調査とテクノシステム社の倒産

メガソーラーファンドの募集から約1年が経過した2021年2月、SBISLは「テクノシステム社への重大懸念」を公表し、第三者委員会による調査を行うことを発表しました。

 

そして調査の結果、テクノ社の会計処理の適正性や、貸付審査時の提出書類の正しさに疑義が生じていたという懸念を表明し、ファンドの組成・管理の義務があるSBISLに明らかな非があることを認めました。

第三者委員会の調査結果から分かった主な問題点

  1. SBISLのファンド組成・管理行為にかかる事実及びその適法性(評価)
    • 「虚偽の表示」又は「重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示」(金商法38条9号、金商業等府令117条1項2号)が存在すること。
    •  顧客に対する匿名組合契約に基づく営業者としての善管注意義務に係る違反が存在すること。
  2. 本件の原因
    • SBISLの投資者保護意識の問題や経営トップの営業優先の姿勢
    • 審査・モニタリング体制の欠陥

 

この調査結果が発表されてまもなくして、テクノシステム社は負債総額150億円を抱えて倒産しました。

 

テクノシステム社の生田尚之社長は、別の融資に関する詐欺容疑で東京地検に逮捕されました。

 

SBIによる投資家の損失補填

本来、ソーシャルレンディングファンドのデフォルトの損失は投資家が被ることになります。

 

しかし今回の事件では管理不行き届きを認め、SBISLが全額補填すると発表しました。

 

ネット金融最大手としてのブランド棄損につながることを考慮したのでしょうが、これは異例の措置です。

 

これまでもソーシャルレンディングのファンドのデフォルトは何度かありましたが、ソーシャルレンディング事業者が損失補填するのは業界始まって以来のことです。

 

2021年3月から新規ファンドの募集を停止し、自主的な廃業、つまりソーシャルレンディングからの撤退を決定しました。

 

今後は現在運用中のファンドからの回収に注力し、SBISLは完全に店じまいとなる模様です。

 

貸付先が詐欺になりやすいソーシャルレンディング業者の特徴

今回はテクノシステム社の詐欺行為によって、SBISLのファンドが返済不能になりました。

 

SBIグループだから投資家へのダメージを吸収できましたが、普通の事業者だと150億円もの損失補填は無理だったでしょう。

 

今後、他のソーシャルレンディング事業者に投資する際に、貸付先がテクノシステムのように詐欺業者だったら・・・と不安に思いますよね。

 

そこでソーシャルレンディング(SL)投資5年の筆者が、詐欺業者への融資に合わないようにするためのポイントを2つお伝えします!

 

ポイント① 利回りが高いファンドには相応の理由がある

利回りが10%のファンドは一見魅力的に思えますが、高利回りということはリスクが高いということです。

 

例えばクラウドクレジットのように新興国や途上国の企業に貸し付けを行うから、利回り10%代のファンドが売り出されるというのは、ある意味理に適っています。

 

一方で日本国内の不動産関連で高利回りなファンドは、注意が必要です。

 

日本はゼロ金利が続いており、不動産担保のローンもやはり低金利で借りることができます。

 

高金利なクラウドファンディングで借りる理由がないのに、わざわざ不利な条件で借りようとしているわけだから、疑ってかかるのが定石です。

 

ポイント② 貸付先を匿名で募集しているファンド

かつてのソーシャルレンディングには、融資先企業の匿名問題がありました。

 

金融庁が「SLは貸金業法の適用範囲内とする」との公式見解もあって融資先企業名を開示することが禁止されていました。

 

つまりSLの投資家は、自分が投資するファンドが貸し付ける先の企業名を全く把握することなく、目をつぶって投資するしかありませんでした。

 

SL業者や貸付先が優良企業ばかりであればいいのですが、2018年から詐欺まがいの事故が頻発しました。(詳しくは以下の過去記事を参照)

 

このようにSL業界で不正が頻発したことに対してついに金融庁が動き、「原則として借り手の匿名化は不要」との見解が2019年に公表されました。

 

この見解が出されて以降、いくつかのソーシャルレンディング事業者は貸付先企業名や直近の決算情報を開示するようになりました。

 

投資家は企業の活動内容や財務状態を参考に、投資判断できるようになったのです。

 

一方で、いまだに「融資先はJ社」と匿名を続ける業者も残っています。

 

融資先企業を匿名のままにファンド募集するのは、投資家保護を考えない業者目線の態度です。

 

今後は、貸付先企業の情報をしっかり開示するSL業者を必ず選ぶように気を付けましょう。

 

逆に安全度が高そうなソーシャルレンディング業者はどこ?

最後に筆者が安全度が高いと感じているおすすめのソーシャルレンディング事業者をご紹介します。

 

それはずばり!Fundsです。

 

Fundsは、アイフル社やデュアルタップ社といった有名な上場企業による連帯保証がつくことで安全性を高めています。

 

2021年6月には福岡銀行に対して貸し付けるという業界びっくりのサプライズを起こしました。

 

従来のソーシャルレンディングはファンド組成企業の財政状態に不安が募るものばかりでしたが、Fundsの融資先は向こう数年で潰れることが想像しづらい一流企業も多く含まれます。

 

「信用」に気を使ったサービスだと思いますので、業界全体が不安になってる状況なので、一層Fundsのファン達が増えそうですね♪

 


以上、本日はこれまで。

 

それでは!

 

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