2022年2月24日、ロシアとウクライナが戦争を始めました。
世界の株式市場も敏感に反応し、NYダウは800ドル以上も急落と2022年最大の下げ幅を記録しました。
戦争の影響で株価は暴落してしまうのでは・・・と不安を頂く投資家も多いと思います。
こういう不確実な事態の将来を予想するためには、歴史から学ぶことが大切です。
そこで今回は過去に起きたロシアが関わった戦争と、世界株式市場の写し鏡であるNYダウの関係を分析することで、今後の株価の行方について予想したいと思います。
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ロシア・アフガニスタン戦争(1979年~1989年)
まずは直近で起きた中で一番長く、被害が大きかったアフガニスタン戦争を振り返ってみます。
戦争の概要
1978年にアフガニスタン内に成立した共産党寄りの政権に対して国内で反発が起きたため、1979年にロシア(当時のソビエト連邦)が軍事介入しました。
ソ連軍の派遣は1979年の出兵から1989年の完全撤収まで約10年にも及びました。
長期化した戦争でによって、ソ連側は1万4000人以上が戦死、アフガン側はその数倍の戦死者を出した悲惨な出来事でした。
ロシア・アフガニスタン戦争中の株式チャート
戦争の悲惨さの一方で、NYダウ株価は好調に推移しました。
上図は戦争が始まった初年度の株価チャートです。
1年を通じて10%以上も株価が上がった一方で、下落幅は5%前後であったことから、株価は堅調だったと言えます。
次に1979年~1989年の戦争全期間の株価推移を見てみましょう。
戦時中10年のNYダウ株価チャートによると、2倍どころか3倍にも達するほどの上昇ぶりです。
多少の凸凹はあるもの、全期間を通じて右肩上がりであることが分かります。
以上より、ロシア・アフガニスタン戦争がNYダウ株価へ与える影響は無かった、またはプラス材料になった可能性を示しています。
クリミア危機(2014年2月~3月)
もう1つ過去の戦争と株価の題材として、2014年のクリミア危機を振り返ってみましょう。
危機の概要
クリミア半島の帰属を巡って、2014年にロシアとウクライナの間で政治危機が起きました。
クリミア半島はウクライナロシア派の住民が多い場所で、ロシア派とウクライナ派の衝突が起きがちな場所ではありました。
そんななか、2014年2月にクリミア自治共和国議会・政府本部を親ロシア派武装集団が占拠してしまいました。
その後、空港や海軍などをロシア派が占拠していき、ウクライナ領であったクリミア共和国とセヴァストポリ特別市が一方的に独立宣言を行い、ロシアへの編入の宣言しました。
完全な戦争ではないため死傷者は少数で済みましたが、国境を超えた騒動であることは間違いなく、一歩間違えれば全面戦争に至ったかもしれません。
クリミア危機中の株式チャート
クリミア危機期間中のNYダウ株価の推移を見てみましょう。
上図はクリミア危機 全期間中(2014年2~3月 )のNYダウ株価の推移です。
アフガン戦争の同様で、右肩上がりに株価が伸びていたことが分かります。
2か月のチャートだけだと短すぎる気がしたので、クリミア危機を含む2014年を通じたNYダウのチャートを見てみましょう。
やはり2014年は株価は10%以上あがっており、1年を通じて見てもずっと右肩上がりで上昇したことが分かります。
結論!ロシア・ウクライナ戦争が与える株価への影響
2022年2月に勃発したロシア・ウクライナ戦争がNYダウに対して悪影響をもたらすことはなく、世界的な株価暴落が起きることはないでしょう。
戦争が始まった当初は、ショッキングなニュースへの反応として一時的な急落があるかもしれませんが、次第に株式市場は落ち着きを取り戻すはずです。
また悪影響を与えないどころか、過去の紛争の事例では右肩上がりでNYダウ株式指数が上昇していました。
筆者の投資戦略は、一時的に株価が急落することがあればリバウンドを狙って押し目買いしようと考えています。
※今回の戦争でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
以上、本日はここまで。
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