ロシアとウクライナが戦争を始めてから少しの間は、世界の株式市場も様子見の状態でした。
過去の歴史を紐解くと、戦争と株式相場の間には関係がない、もしくは上昇さえしていることが分かっているからです。
しかし2月下旬になって明らかに市場の雰囲気が変わりました。
ロシアがSwift(国際銀行間決済)を使えなくなったことでロシアルーブルが大暴落したため、リーマンショック級の金融危機が起きる?とのうわさも流れ始めています。
そこで今回はロシア通貨危機と世界株価の関係を紐解き、今後の世界株の動向を予想したいと思います。
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ウクライナ戦争の制裁で起きたロシアルーブル危機
ロシアによるウクライナ進行に対して世界各国は様々な経済制裁をしてきました。
その中でも、最も劇薬と言われるSWIFT(国際決済システム)からロシアを排除する措置が2月27日に行われました。
SWIFT排除の影響で外貨との交換ができない、つまり国際的には無価値の通貨とみなされたことでロシアルーブルは大暴落し、円に対して40%近くも下落してしまいました。
(引用:楽天証券)
2022年通貨危機は金融危機を引き起こす?
今回のSWIFT排除は単なる通貨危機にとどまらず、ロシアが国際貿易できないことも意味します。
特にロシアから供給されるエネルギー資源が世界に届かないとなると、先進国を中心に世界経済への悪影響も懸念され、リーマンショック以来の金融危機や株価暴落さえ噂されるようになりました。
実際にロシアの平均株価指数であるRTSはわずか数日で1,400 → 800あたりまで40%以上も下落しました。
(引用:楽天証券)
世界の株価もこれが起きれば、まさにリーマンショック級と言ってもおかしくありません。
そこで過去のロシアルーブル危機の時に世界株がどう動いたか?について振り返ってみたいと思います。
過去にもあったロシアルーブルの通貨危機
歴史を振り返ると、ロシアルーブルの通貨危機は2回ありました。
- 1998年 ロシア危機 ↓80%下落(1997年12月~2001年12月)
- 2014年 クリミア併合 ↓48%下落(2014年7月~2015年1月)
1つは記憶に新しい2014年のクリミア侵攻の時です。
欧米からの経済制裁に加えて原油価格が暴落するなどロシア経済にとってマイナスが続き、ルーブルが急落しました。
もう1つは1998年のロシア財政危機の時です。
財政危機によってロシアが債務不履行(デフォルト)を起こしてしまい、世界の投資資金の大半がロシアから引き揚げられたことで、ルール部も大暴落しました。
2014年 クリミア併合と株価の関係
クリミア併合と株価の関係のについて、まずはロシアRTS株価指数との関係を見てみましょう。
チャートを見て明らかなように、クリミア併合が起きた2014年~2015年にかけてロシア株価は暴落していることが分かります。
おおよそ1,400 → 600まで一時的に落ち込んでおり、下落率は60%近くにも達していました。
では同時期に世界株を代表するNYダウがどうなっていたかというと、下のチャートの通りです。
クリミア併合が起きた2014年から2015年にかけてNYダウは上昇を続けています。
2014年9月頃に大きな下落線が出ていて、おそらくクリミア併合が影響したように観測されますが、すぐに株価は調子を取り戻し、上昇トレンドを続けました。
以上のことから、クリミア併合による影響でロシアルーブルやロシア株が暴落しても、アメリカのNYダウ平均株価は関係なしに上昇を続けていることが分かります。
1998年 ロシア危機と株価の関係
もう一つの事例である1998年のロシア危機と株価の関係を見ていきましょう。
まずはロシアRTS株価指数についてです。
見ての通り、ジェットコースターのごとき下り坂です。
価格にして550 → 50、つまりロシア危機によってロシア株価は90%以上も暴落したことが分かります。
2014年のクリミア危機以上に、ロシア危機のほうが株価暴落っぷりが顕著に表れてますね。
世界の大国の1つがこれだけの金融危機に瀕したならば、さすがにNYダウ株価も影響をうけたことが予想されますよね。
さて同時期のNYダウ株価指数の動きを見てみると・・・
普通にNYダウは上昇し続けとる!!
厳密には1998年8月に大きな下落が起きており、ロシア経済の崩壊の影響があったのかもしれません。
しかしその下落も1か月だけに留まっており、その後順調に株価は回復しています。
株価暴落おそロシア、株価上昇のおそアメリカですね。。
まとめ ロシアルーブル・株価暴落が世界金融危機を引き起こす?
結論、ロシアルーブルや株価が暴落しても世界金融危機は起きません!
過去の事例からは一時的にNYダウを始めとする世界株価に悪影響を与えて、20%くらいの下落が起きたことはあったように見えますが、すぐに調子を取り戻して上昇していました。
しかしリーマンショックのような世界の金融システムをぐちゃぐちゃにして、株価暴落が起きることはありません。
NYダウが大きく下げることがあったら逆に仕込み時と考えて手元資金を思いっきり投下したいと思います。
※今回の戦争でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
以上、本日はここまで。
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