ソーシャルレンディング業界で唯一海外ファンドを専門に扱うクラウドクレジットで、珍しいファンドに投資をしていたのですが、ついに満期を迎えました。
そのファンドとは「ロシアルーブル建て マイクロローンファンド」です。
「ロシアルーブル建て」、「マイクロローン」なんて、いかにもリスクの高そうな響きですね。
損失を出すことなく無事に返済されたのでしょうか?
それでは運用実績をレポートさせていただきます。
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投資開始前と大きく異なる結果に!
【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド12号の結果は上図の通りで、実績利回りは期待利回りを約8%も下回る結果となりました。
いったい何がおきたのでしょうか?
返済されたのですからデフォルトが起きたわけではないのでしょう。
融資先企業がうまくいかなかったのでしょうか?
【ロシアルーブル建て】マイクロローンファンドとは?
運用実績の詳細を説明する前に、まずは本ファンドの概要を解説します。
今回のファンドは主にロシア~東欧に関わる事業に融資する案件でした。
ファンドの運用期間は13カ月とクラウドクレジットの平均的な長さでした。
期待利回りは?
募集時点でのファンドの収益を表す指標は以下の通りでした。
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何と言っても最初に目がいくのは、10%を大きく上回る高利回りである点でしょう。
投資倍率(満期に返済されるお金を表した指標)は1.132倍ということで、10万円投資すれば11万1,320円に増えて戻る可能性を表しています。
投資した時点では、高い分配金が戻ってくることに期待をふくらませて投資しました。
リスクは?
高利回りゆえに高いリスクもありました。
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このファンドが融資する企業は、ロシア、カザフスタン、ジョージア、スペイン、ポーランド、ブラジルの6か国で、個人向け短期ローンの貸付を行う事業者でした。
要は「新興国での消費者ローン」というハイリスクな事業を担う企業ということです。
またロシアルーブル建てファンドであるため、日本円とロシアルーブルの為替リスクが生じます。
米国ドルと違ってロシアルーブルの変動率は大きいため、やはりこれもハイリスクと言わざるをえません。
総じてハイリスク・ハイリターンな投資という覚悟を持って、私は投資しました。
満期到来!元本返済されました!
本ファンドは当初予定していた2018年8月上旬に無事元本が返済されました。
冒頭でもご紹介した通り約8%も期待利回りを裏切ってしまった経緯をご紹介します。
運用実績レポート
上記は【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド12号の運用実績レポートの抜粋です。
上から3行目の「運用目標達成率」は100%となっており、運用自体に落ち度はなかったことが分かります。
一方で下から2行目と1行目の「ファンドの実現利回り」:4.6%、「募集時期待利回り」:12.7%と、予定・実績が乖離した結果が分かります。
この原因はいったい何なのか?
利回り低下の要因は為替変動にありました。
運用期間中の変動推移
上図は運用期間中の本ファンドの指標を表現したものです。
注目すべきは赤い点線「ルーブル為替レート」です。
投資開始時点(2017年7月)は1.868台だったレートが、運用終了時点(2018年7月)には1.757まで低下していることが分かります。
よく言われる為替リスクってやつが直撃してしまったようです。
せっかく期待利回り12.7%の通りに融資先企業の事業はうまくいったのに、為替という外的要因によって分配金が圧縮されてしまいました。
為替変動の原因は?
なぜロシアルーブルは大きく下落してしまったのか?
クラウドクレジットの運用実績レポートに、その要因が書かれていました。
特に、2018年4月にトランプ米政権がシリアへの武器売却や米国へのサイバー攻撃等を理由に、ロシアの企業、実業家および政府関係者に対する追加制裁を科すと発表したことを受け、ルーブルが大きく下落したことで、本ファンドの円建てでの収益を圧迫することとなりました。
トランプショックがクラウドクレジットのファンドにまで及んでしまったようで、こればかりはどうしようもないですね。
ファンド自体は期待した収益を出したということなので、高く評価すべきでしょう。
【私のクラウドクレジットの全ファンドの運用実績はこちら】 |
今後のクラウドクレジットへの投資スタンス
今回の記事では、為替リスクによって期待より利回りが下回ったという結果をお伝えしました。
とはいえ利回り4.6%と立派にプラスの分配金を出しましたし、他のクラウドクレジットファンドも返済実績を積み重ねています。
このようにクラウドクレジットは良い・悪い問わず情報をオープンにしてくれるため、いろんなリスクと向き合いながら投資することが可能です。
私は変わらずクラウドクレジットを信頼するというスタンスで、投資を継続します。
以上、本日はここまで。
それでは!
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