2022年に改正育児・介護休業法が施行されます。
この法律によって、企業は社員に育休取得の意向を確認することが義務付けられ、従来は言いだしづらかった男性社員も育休が取りやすくなることが見込まれています。
しかし育休を取ると聞いてすぐに心配になるのが「収入は大丈夫か?」という点。
そこで今回は育児休業給付金による収入に関して、より多くの人(特に男性諸君!)が育休を取りたくなるように分かりやすく解説します!
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育児休業の取得率
2020年に行った厚生労働省の調べるによると、男性の育休取得率は12.7%に留まりました。
低水準となった主な理由としては、
- 育休を取りにくい風潮
- 収入減少に対する不安
といった声が多数を占めていたようです。
特に日本では男性の収入に世帯が依存することが多いため、男性の育休取得の大きな壁となり、踏み出せないでいる家庭が多くいるようです。
しかし育児休暇中は「収入が減る」と直感でそう考えているだけであって、実際に計算すると全く違って感じることもあるようです。
ここから育児休暇を収入について詳しく解説していきます。
育児休業中のお金の基本
まずは育児休業中におけるお金の基本の「キ」について解説します。
会社から給料や賞与は支払われるのか?
育児休業中に会社は給料や賞与を支払う義務はありません。
休業中も全額 or 一部の金額を支払う企業が稀にあるものの、支払わない企業が大半です。
すると「育児休暇を取ったら生活できないじゃないか!」と考えて、誰も取ることができなくなります。
極端な人は経済的な理由で子供を産むことさえ拒絶するかもしれません。
このような育休中の経済的不安を取り除くため、育児休業給付金という国の制度があります。
育児休業給付金による国からの援助
育児休業給付金は、育休終了後に職場復帰することを前提とした給付金です。
会社員であれば、以下の条件を満たすことで給付を受けることができます。
- 雇用保険に加入していること
- 育休前の2年間のうち被保険者期間が12か月以上あること
まれに育休期間中も給与が支払われる会社もありますが、その場合は国からの育児休業給付金は支払われない or 差額だけ支払われるといった対応がなされます。
育児休業給付金の計算方法
続いて育休中の国からの援助:育児休業給付金がいくら支払われるのか、具体的な金額について説明します。
基本的な計算式
給付の金額は人によって異なるため、まずは計算式について解説します。
育児休業給付金の計算式
- 当初6ヶ月 ・・・育休開始前6ヶ月の平均賃金×支給日数×支給率67%
- 6ヶ月経過後・・・育休開始前6ヶ月の平均賃金×支給日数×支給率50%
計算式は育児休暇開始から6ヶ月までとそれ以降によって異なりますが、その違いは支給率が67%か50%かだけに留まります。
平均賃金の大小によって、育児休業給付のもらえる金額が大きく異なってきます。
端的に言えば、普段から高い給料をもらってる人は高く、安い給料をもらってる人は安いです。
育休においても資本主義の格差の一面がありますね。。
残業代や交通費などの手当ても含まれる?
ここで気になるのが「平均賃金」に何が含まれるのか?
役職手当、残業代、交通費など基本給以外の金額も含むのか否かで、給付額が全く異なってきますよね。
こういった月額給与に含まれる各種手当は平均賃金に一律含まれることになっています。
通勤手当は勤務場所から遠いだけで、その人の稼ぎとは何ら関係ないわけで、なんだか変な気がしますが、現状は給付金の計算対象となっています。
子育てに伴い引っ越しを検討する人は、育児休暇を取る半年前には遠い場所に引っ越しましょう(笑)
賞与は含まれる?
各種手当が含まれるなら、賞与も平均賃金に含まれるだろうと思う人もいるでしょう。
賞与は育児休業給付金の計算対象には含まれないことになっています。
ということは、外資系企業で採用されてるような年俸制で賞与がなく、月間給与が高く設定されてる会社のほうが育児休業給付金が高く支払われることになりますね。
税金は払わないといけないの?
育児休業給付金は課税対象にでないため、納税額が大幅に減ります。
健康保険や厚生年金などの社会保険料の個人負担分を負担する必要がなくなるためです。
会社負担分は引き続き会社が払ってくれるので、保険サービスや年金受け取りに影響があるわけではなく、育休中は無料で社会保険の恩恵を受けることができます。
育児給付金が「平均賃金×67%」と給料から3割強も減ってしまうのが不安に感じる人も多いでしょうが、手取りで計算すれば収入減が思ったより小さくなりそうな気がしますね。
育児休業給付金の計算シミュレーション
手取りが思ったより減らなさそうなので、さっそく育休前と育休中の手取り収入を比較するため、具体的な数字を入れてシミュレーションしてみましょう!
以下の前提条件で計算してみます。
前提条件
- 月50万円の平均賃金がある
- 妻は専業主婦だが、生まれてまもなく6ヶ月間は一緒に育児を行うため育児休暇を取得
育児休業給付金 VS 通常給料の手取り
育児給付金の手取り:50万×67%=33.5万
通常給料の手取り:50万円ー所得税1.7万ー住民税2.6万ー社会保険7万ー雇用保険0.2万
=38.5万
ざっくり計算してみた結果、育児給付金の手取りが33.5万円、通常給料の手取りが38.5万円となりました。
手取り差は約5万円と痛手ではありますが、額面収入50万円の10%の割合に留まります。
育児休業給付金が平均賃金の30%以上も減ることから考えれば、割と軽い減額に見えますよね。
手取り10%減るだけで半年間も育児に集中できるなら、幸福度の高い期間を過ごせるのではないでしょうか。
以上、本日はここまで。
今回は収入が減るのが恐くて育児休暇取得を躊躇する世の男性に対して、手取りを計算すれば案外収入は減らないかもよ!という解説をしました。
それでは!
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