わたしたち投資家にとって天敵の詐欺事件について解説します。
今回ご紹介するのは2021年7月に明るみになったオズプロジェクトについてです。
仮想通貨関連の投資商品を高齢者を中心に売りつけ、大量の被害者が出る悲惨な事態となっています。
この記事では、オズプロジェクト事件の概要に加え、被害者へ返金されるか否かにも迫ります。
オズプロジェクト事件の概要
オズプロジェクトは2017年2月頃から、セミナーや会員紹介などクローズなチャネルを使って会員数を伸ばしてきました。
仮想通貨を支払って入会しておけば、独自技術の「AIトレード」や「マイニング」から収益をあげ、投資家へ配当が還元されるといううたい文句でした。
しかも投資家への還元利率が高く、これを見せつけられたら、つい手を出してしまいそうです。。
【オズプロジェクトの報酬】
- AIトレード:4か月で元本が2.5倍(月利62.5%)
- マイニング:月利5%
- 会員紹介:新規会員を勧誘することで投資額の10%~60%以上の紹介料
しかし配当が支払われない会員が続出し、返金を依頼してもすぐに対応してくれないといった悪い評判がたっていました。
関係者4人の逮捕で事件が明るみに
2021年7月、オズプロジェクトの関係者4人が逮捕され、上記のような高利回りの営業トークが嘘であることが明らかになりました。
オズプロジェクトの被害者数や金額は?
今回の詐欺事件による被害者は1万5千人以上、金額にして60億円以上もの被害額が出ました。
被害者の多くは年配の人と言われており、情報弱者を狙った悪質な事件であることが分かります。
でも不思議なのは、上の動画で見ても人相が悪いのは明らかで、みんな警戒しなかったのかな~?と思ってしまいます。
なぜ信じてしまったんですかね。
オズプロジェクトの運営会社とは?
オズプロジェクトの運営会社は明らかになっていません。
逮捕された4人を中心に、架空の団体により運営されていた模様です。
オズプロジェクトのホームページ:http://oz-project.support/は現在閉鎖されて実在しません。
どこの誰かか分かりませんがコピーWebサイトを立ち上げてくれてるようなので、参考までにどうぞ~。
返金される可能性はあるか?
筆者が独自に調べるに、2020年前半から配当はまともに支払われてないようです。
仮想通貨の運用がうまくいかなかったのか、運営者が私利私欲で使いこんでしまったか・・
団体に現金が残ってないことが推測できます。
60億円の被害額が返金される可能性は0に近いでしょう。
わずかな望みをかけて集団訴訟を起こすようで、裁判の行方に注目です。
オズプロジェクトの詐欺を見抜く簡単な方法
最後に簡単、且つ短時間でオズプロジェクトのような詐欺商品を見抜く方法をご紹介します。
方法① 金融取引の免許の有無
投資商品を販売するためには国に認められていることを証明する免許が必要です。
仮想通貨関連であれば「仮想通貨交換業者」、投資信託・REIT関連であれば「金融商品取引業者」といった免許が必要になります。
【金融庁の登録済み業者の一覧】
オズプロジェクトはというと、金融取引に関わる免許を一切保有していませんでした。
つまり無免許営業をしていたわけで、勧誘・販売行為が既に違法でした。
方法② 金融商品なのにホームページが雑過ぎる
金融商品はよそさまのお金を預かって運用するもので、しかも商品が複雑なことが多いため、丁寧で誤解のないように情報を載せる必要があります。
しかしオズプロジェクトのコピーサイトを見る限り作りが雑で、とても信用できそうにありません。(同じ仮想通貨のCoinCheckやbitFlyerと比べると一目瞭然)
ボーナス制度が複雑であるにも関わらず、図解もなく文章で説明するだけです。
顧客目線でサービスを考えてないのでは?と疑いの目でみてしまいます。
方法③ 会員紹介料の異常な高還元率
新規会員の紹介料が投資額の10%~60%以上と異常に高いレートが設定されていました。
これだけの高額報酬が設定されているので、お金に目がくらんだ会員たちは自分の友人・知人たちを次々に誘い込んだことが容易に想像できます。
その結果が1万5千人以上、60億円以上の被害をもたらしました。
会員が会員を連れてきて、それに高い報酬を与える仕組みをマルチ商法やねずみ講と呼びます。
マルチ商法は商品やサービスの実態がある会員勧誘を指し、ねずみ講はそもそも実態がないのに会員誘致ばかりで稼ごうとするビジネスモデルです。
オズプロジェクトがうたっていたAIを用いた仮想通貨投資は、警察の調べによると実態がないもののようで、ねずみ講だったと見られています。
ねずみ講の仕組み図
紹介料の高いビジネスと聞いたら十中八九が怪しいので、近づかないようにしましょう。
以上、本日はこれまで。
それでは!
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