最近悪いニュースが多いソーシャルレンディング業界において、またネガティブな情報が飛び込んできました。
業界大手で唯一の上場企業が運営するOwnersBookでデフォルト(倒産による貸倒れ)が起きました。
そこで今回は投資家のお金はどうなるのか?を分析したうえで、OwnersBookは危険なので今後投資は控えた方がよいのかどうか?
筆者なりの考察を書きます。
●投資家資金の回収見込みはあるか?
●今後、OwnersBookには投資しても大丈夫か?危険だからやめるべきか?
OwnersBookとは?
OwnersBookとはロードスターキャピタル株式会社が運営するソーシャルレンディング投資のサービスで、投資家と不動産業を営む企業とをつないでくれます。
特に銀行借入で不足した分を、メザニンローンとして投資するファンドを多く取り扱っています。
【OwnersBookの概要記事はこちら】
筆者ももそれなりの金額を投資しており、これまで2年以上問題なく分配金や元本返済が行われてきました。
【筆者のOwnersBookの実績はこちら】
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返済遅延(延滞)が発生!
2019年7月、OwnersBookは江東区商業ビルファンドの貸付先企業が破産手続きに入ったことで、配当分配や元本返済が遅れるリスクが高まったことを発表しました。
江東区商業ビル第一号ファンドとは?
問題が起きたのは、東京と江東区の商業施設に関わる融資を目的に約310人の投資家から約8,000万円を集めたファンドです。
物件概要は以下の通りです。
募集総額 | 80,100,000円 | |
---|---|---|
運用タイプ | 貸付( メザニンローン ) | |
予定利回り(年換算) | 5.0% | |
予定運用期間 | 20ヶ月 | |
投資実行日 | 2019/03/07 | |
匿名組合の償還予定日 | 2020/10/20 | |
担保 | 有り(根抵当権) |
(ちなみに筆者は当該ファンドに投資しておらず、セーフでした)
=> OwnersBookの悪い評判にもめげずに公式サイトから口座開設を申し込む
リスク評価は適正だったか?
「投資実行日」が2019年3月頃となっているので、約4か月後の7月にデフォルトを起こしてしまったわけです。
OwnersBookによる貸付先企業の審査の甘さが露呈される結果となりました。
だからといってリスク評価がいいかげんだったかというと、そうも言いきれない側面もあるようです。
というのは、OwnersBookのファンドには必ず「物件リスク分析」の情報が付くのですが、当該ファンドは「リスク:大」と評価されていたのです。
リスク分析の結果を踏まえると、必要最低限の情報が発信されていたとも判断できます。
やはり投資家の自己責任でしょうか、難しい・・・。
デフォルト後の対応について
今回、OwnersBookファンドが融資した先が倒産してしまったので、抵当権を設定していた不動産を原資に投資家のお金を回収することになります。
投資家のお金は戻ってくるの?
いったいどれくらいお金は戻ってくるのか?
これは担保不動産がいくらで売却できるかにかかっています。
募集時の情報によると、当該不動産には12.6億円の評価額に対して、優先ローンの銀行から8.6億円、劣後ローンのOwnersBook投資家から0.8億円が出資されてました。
つまりOwnersBookの不動産評価が正しければ、不動産価値と返済額に差引き約3億円の余裕があるわけで、これなら楽勝で投資家資金は戻るでしょう!と見えてしまいます。
しかし!事態はそんなに甘くありません。
担保不動産が、実は違法物件であったことが分かっています。
OwnersBookの発表によると上記の違反を差引いたうえで12.6億円の評価だったと記載があるので、そんなに不安視しなくても良い問題なのでしょうか?
私も不動産大家はしているものの、違反物件の価値算定や売却に与える影響は知識がないので、どんな影響を与えるのか未知数です。
最終的に投資家にお金は戻ったの?
デフォルトの第一報があった2019年7月から約半年後の2020年2月、投資したお金は戻ってきました。
しかも当初の返済予定日だった2020年9月よりかなり前倒しての最終弁済となったのです。
返済資金の出元について詳細な記載はなく、貸付先から返済があったから一件落着というものでした。
贅沢を言わせてもおらうと、ぜひ担保不動産の売却した資金をもとに返済してほしかったですね。
OwnersBookの担保不動産に対する目利き力をはかる絶好のチャンスだったでしょうし。
ファンドに出資した元本が戻ってきて良かったのですが、オーナーズブックの有事の実力を見れず、少し残念な気持ちになりました。(余計なお世話と言われそうですが w)
延滞や元本割れの実績は?
2021年3月19日時点、オーナーズブックの過去ファンドの累計投資額や元本割れの実績は上図のとおりです。
212億円の投資実績があるなかで、元本割れが起きたファンドは1件もありません。
「江東区商業ビル第一号ファンド」のように返済日が遅延する可能性があっても、元本以上のお金はしっかり返済されてます。
200億円以上で元本棄損の事故が1件もないのは、かなり優秀な事業者だと思います。
OwnersBook=危険は本当?
今回のデフォルトを受けて、Twitterを始め様々なSNS等でOwnersBookが危険であるとする意見が飛び交っています。
運用開始してわずか4ヶ月で破産するような貸付先に融資するOwnersBookの見る目の無さはわたくしと同レベルで親近感わいた
— ウハウハ (@ultladeep) July 6, 2019
このファンドについて今日悪魔のようなニュースがきたので共有しておきます。
投資するリスクは分かっているんですが、はじめての通知で恐怖ですhttps://t.co/TIoIObWtOg— take_take_prod (@take_take_prod) July 5, 2019
リスク高かつ諸々非開示になってた案件のやつか。目標利率しか見ずにお金溶かした方精々頑張って下さい。
てかownersbook、5年前と比べて糞案件多い気がする。 https://t.co/kupGqFTxGy— adokYari (@Adonika8192) July 6, 2019
ソーシャルレンディングのように融資業務であれば、銀行だろうと消費者金融だろうとデフォルト(債務不履行で返済されない)のリスクは常にあります。
大切なのはそのリスクを低減することと、リスクが顕在化したらなるべく多くのお金を回収することです。
その意味で、今回OwnersBookがいくらまで投資資金を回収できるかが、今後の同社の成長に影響を与えることでしょう。
投資元本をしっかり回収できれば、OwnersBookの信頼は逆に大きく向上し、安心して投資できる先として再認識されるでしょう。
がんばれ!
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以上、本日はここまで。
それでは!
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