生命保険業界で驚きのニュースが流れました。
全ての生命保険契約を横断的に照会できるサービスが2021年7月1日から開始したのです!
契約者本人はもちろんのこと、所定の条件を満たせば相続人や親族も照会可能です。
これまで保険金を受け取れずに泣き寝入りしてきた遺族にとって救世主になるかもしれません!
生命保険契約における契約上の困りごとトップ3!
生命保険とは、家族が亡くなった時に残された人がお金で困らないようにする保険商品です。
一般的には両親が、自分が死んだときに配偶者や子供たちへお金を残すことを意図して契約するケースが多いと言われてます。
一方で亡くなって保険金を受け取る権利が生じても、家族にお金が渡らない残念なケースが少なからず起きています。
ケース1.生命保険に入っていたかどうか知らない
ご両親は生命保険に入ってるかどうか教えてくれてますか?
友人付き合いでとか、会社に常駐するおばちゃんの圧力に負けてとか、興味ないけど仕方なく契約するケースが少なくなく、その場合は生命保険契約の存在さえ家族に伝えないことがあるようです。
もし口頭で伝えてなくても、契約の証跡となるものを残しておけば、家族は困りません。
特に保険証券という契約内容が記載された証書の場所を伝えておくのも効果的です。
保険証券があれば保険会社、商品内容を容易に把握でき、スムーズな保険金受取につながります。
ケース2.加入していることは知っているが、保険会社や商品が分からない
親から生命保険に加入していることは聞いていたけど、どの保険会社で、何という名前の商品か知らなければ、何も知らないのと同じです。
もし気合で解決するなら、国内40社以上の生命保険会社へ問い合わせるなんてとんでもない労力が必要となります。
ケース3.契約者本人が認知症で記憶が定かでない
保険契約者が元気に生きてる時に厄介なのが、痴呆などボケがくるケースです。
保険に加入してるのにしてないと言ったり、契約済みだけど会社や商品は思い出せないと言ったり、高齢者の記憶に頼るのは不安ですよね。
冷たい言い方かもしれませんが、亡くなっていれば代理の問い合わせやすさも出てきます。
しかし本人がご存命となると保険会社側の対応も慎重になり、保険金受取人側から情報を引き出しにくくなります。
日本は超高齢化社会に突き進んでいて、65歳以上の4人に1人が認知症になるという推計があります。
高齢でボケた後でも情報を引き出しやすい仕組みが求められてきました。
朗報!家族が少ない手間で契約内容を知る制度がスタート!
ここまで説明してきたような保険金を受け取れない!をなくすため、生命保険契約照会制度が新設されました。
生命保険契約照会制度とは
生命保険契約照会制度は、生命保険協会が仲介することで、一括で各保険会社に契約有無を照会できる制度です。
生命保険協会とは、保険会社の経営支援と契約者保護を目的とする公式な業界団体なので、決して変な業者ではありません。
照会者は協会が提供するWebページから申し込みだけでなく、調査結果の確認まで閲覧可能です。
また利用可能なタイミングは死亡時だけでなく、痴呆などで判断能力が低下してるケースであっても可能な点はとてもいいですね!
生命保険契約照会制度のデメリット
いいとこだらけに見える生命保険契約照会制度ですが、3つのデメリットがあります。
デメリット1.回答は保険契約の有無だけ
一括で照会をかけた後、保険協会がとりまとめて結果を教えてくれるのですが、その回答内容は保険契約が有る or 無いだけとなります。
きっと照会者は保険金人などの詳細な情報を欲しいですし、いっそのこと保険金の請求もしてしまいたいと思うでしょうが、そこまでは今回の制度では入手できません。
あくまで契約有無の確認ができることがゴールとなるので、詳細確認の入手や手続きは判明した生命保険会社に直接連絡する必要があります。
デメリット2.利用料がわりと高い
生命保険契約照会の利用料は1回につき3,000円(税込み)かかります。(災害死亡時の照会は無料)
わりと高いな~という印象です。
しかし照会をかける頻度は一生のうち数回と少ないでしょうし、全ての保険会社へ問い合わせる労力を考えると、コスパは良いかと筆者は思います。
なお支払い方法はクレジットカードかコンビニ支払いが可能です。
デメリット3.利用対象者のルール、利用時の必要情報が複雑
親族だったら誰でも気軽に生命保険契約照会を使えるわけではありません。
厳格に利用対象者が定められており、平時・死亡時・災害時とケースごとに対象者が異なるという複雑さです。
また利用対象者に該当したとしても、提出すべき情報がいろいろあります。
この記事に諸条件を書いてしまうと制度アップデートについていけないので、保険協会の該当ページ↓↓をご紹介しておきます。
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