2017年に個人型確定拠出年金のiDeCo対象者を大幅に拡大する制度改定がありましたが、2018年も拠出金額の管理単位を変更する大きな制度改定がありました。
新しい制度を活用すれば、ボーナス払いが可能になり、コスト削減にもつながるなど多くのメリットがあります。
そこで今回は2018年の制度改定後のiDeCoについて解説します。
iDeCoとは?
個人型確定拠出年金制度(通称:iDeCo)は、掛け金全額が所得控除の対象となることで、所得税・住民税を大幅に減らしてくれる素晴らしい制度です。
2016年までは自営業者や企業年金のない会社印だけが加入できましたが、2017年から現役世代の原則全員に対象が拡大されました。
その結果、加入者は2016年末の30.6万人から2017年末には74.5万人へと2.4倍に増加しました。
最新のiDeCoの仕組み
加入対象者 | 20~59歳 |
運用対象 | 預貯金、投資信託など |
税金の優遇措置 | 掛け金分の所得は全額控除 受給時も税優遇あり |
化基金の上限 | 会社員は年間14.4万円~27.6万円 公務員は24.4万円 自営業者は81.6万円 |
掛け金の下限 | 年6万円 |
掛け金変更の可否 | 原則1~12月の納付月ベースで1回まで可能 |
2018年の制度変更に伴い、掛け金の管理単位が「月」から「年」ベースになったことで、掛け金を柔軟に変更できるようになりました。(上表の赤字部分)
2018年から年単位拠出に変更
従来のiDeCoは月単位拠出であったため、毎月定額で拠出することが前提でした。
年単位拠出となったことで、私たちにはどのようなメリットがあるでしょうか?
この変更点について、詳しく見てみましょう。
メリット1 年間の拠出回数を選ぶことができる
制度改定によって年単位で納付回数を年1~12回から選べるようになり、毎月の掛け金も定額である必要がなくなりました。
例えば、年間の拠出上限が27万6000円の一般会社員がボーナスに合わせて6月、12月の年2回に13万8000円ずつ納付することも可能です。
メリット2 各月の掛け金を柔軟に増減できる
1カ月ごとに2万3000円ずつ累積納付上限額が増えていくので、その範囲内であれば柔軟に掛け金を調整できます。
毎月同額納付なら月2万3000円が上限であり、2万3000円より少ないと納付可能額で使わなかった分が翌月以降に積みあがっていきます。
例えば6月まで1円も納付しなかった場合、その翌月は7か月分の16万1000円(2万3000円×7カ月)を納付できます。
メリット3 ボーナス払いでiDeCoのコストも削減!
iDeCoのコスト構造の1つに国民年金基金連合会(国基連)への納付額があります。
国基連のコストとは拠出1回あたり103円かかるというものであり、毎月拠出すると年間1236円かかります。
2018年のiDeCoの改正を利用して年1回の拠出を選択すると、国基連のコストを年間103円にまで抑える(1000円強の削減)ことができます。
国基連以外のコスト構造は特に変更なく、運営管理機関分の費用と信託銀行分の費用が別途かかります。
拠出タイプ | 国基連分 | 運営管理機関分 | 信託銀行分 | 合計費用 |
毎月拠出 | 1236円 (103円×12カ月) | 0円~5400円 | 768円 | 2004円~7404円 |
0円 (多くのネット証券) | 2004円 | |||
年一回拠出 | 103円 | 871円 |
年単位拠出のデメリット
iDeCoの年単位拠出のメリットをご紹介してきましたが、一方でデメリットもあります。
デメリット1 ドルコスト平均法効果の低下
iDeCoでは投信などのリスク資産で運用することになりますが、年1回の拠出とするとドルコスト平均法の効果が低下する可能性があります。
拠出したタイミングがたまたま高値掴みになる可能性があり、長期投資のメリットである時間分散効果を低減するリスクがある点に注意が必要です。
iDeCoの中には元本保証型の預貯金タイプの商品もあるため、それを選択すれば年1回の拠出でも大きなデメリットはないでしょう。
デメリット2 口座管理費用が上がる金融機関もある
年間の拠出回数を減らすと金融機関の口座管理費用が上がるケースがあります。
拠出回数を減らす場合、自分が運用するiDeCoの費用の仕組みが変わってしまわないか、しっかりチェックしましょう。
今回は個人型確定拠出型年金制度:iDeCoの2018年の制度改定について解説しました。
拠出回数に縛りがなくなったことで、柔軟な拠出金の設定ができるようになり、ますます利便性が上がりましたね!
合法的な節税対策として、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、本日はここまで。
それでは!
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