クラウドポート社が2018年1月にリリースしたFunds(ファンズ)は、様々な方面で評判になっています。
私の肌感覚ではロボアドバイザー:THEOが登場した時と同じくらい盛り上がりを感じます。
しかしあくまで投資ですから、リスクを忘れてはいけません。
そこで今回はFundsを調べあげ、投資家が注意すべきリスクについて解説します。
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※2020年1月23日より「株式会社クラウドポート」は「ファンズ株式会社」に社名が変更されたので、「クラウドポート社=ファンズ社」としてお読みください。
インターネットでのFundsの評判・口コミ
リスクを語る前に、まずは世間でFundsがどんな風に言われているか、その評判や口コミを調べてみました。
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評判が良すぎる
著名な投資家ブロガーのみんなが絶賛しています。
しかし、口コミが良すぎるのも気持ち悪いと思いませんか?
私の経験則でも、投資商品で意見が偏る場合、ちょっと注意が必要です。
本来、投資商品はリスクとリターンが相応のバランスで取られているはずで、「ローリスク・ローリターン」、「ハイリスク・ハイリターン」と言われるのも一つのバランスです。
いいところもあれば悪いところもあり、投資家はその全てを理解し、受け入れて投資するものです。
「クラウドポートのFundsサイコー!」なんてことは決してないはずで、「Fundsいいよね!だけど●●の場合は損失が出るかもしれないから、しっかり考慮して投資しよう」と思考することが大切です。
ここの「●●の場合は損失が出る」がリスクに該当します。
投資商品はバランスが大切
リスクとリターンがそうであるように、評判も偏りすぎの場合は注意が必要です。
その評判は本当か?見過ごしているポイントは無いか?
自分の手と足と頭を使って調べることをおすすめします。
評判が良すぎるFunds(ファンズ)は私にとって気持ち悪く、しっかりリスクを把握したいのです。
×××過ぎて失敗した「みんなのクレジット」
最近、バランスが悪くてやっぱりダメだった投資商品に「みんなのクレジット」があります。
みんなのクレジットはFundsと似たクラウドファンディングのスキームで不特定多数の投資家からお金を募集し、企業に投資するという投資商品でした。
みんなのクレジットは過度なキャッシュバックキャンペーンを打つことで多数の投資家資金を集め、最終的に資金の返済ができなくなりました。
投資家は投資元本の90%以上も損失を被ったと言われています。
キャッシュバックキャンペーンが順調なうちは、多くの投資家、ブロガー、メディアから持ち上げられていました。
よくよく調べればあやしいことは明らかで、問題が起きる数か月前からブログで指摘していました。
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繰り返しになりますが、自分の手と足と頭を使って調べて考えることが大切です。
クラウドポートの良い評判を鵜呑みにせず、自分でリスクについて考えることをおすすめします。
Fundsの主なリスク
ここからが本題で、Funds(ファンズ)のリスクについて考えてみましょう。
リスク1.最終貸付先が返済不能になるリスク
(引用:Fundsのホームページ ※1)
Fundsの仕組みに登場する役割が上図の4つある中で、最終貸付先が返済不能になるリスクがあります。
最終貸付先である資金需要者が返済不能(デフォルト)になった時のリスクはどうでしょうか?
この場合、借り手先企業はファンド組成企業を介して投資家に返済する義務があります。
最終貸付先が返済不能になった場合、借り手が他の資産を使ってでも返済する義務があるものをリコースローン、返済する義務が無いものをノンリコースローンと言います。
Funds(ファンズ)はリコースローンによる貸付を行っていることになります。
【リスク1の結論】 資金需要者が返済不能になっても借り手企業は返済義務が残るため、投資家に対する直接的なリスクはない! |
リスク2.借り手企業が倒産するリスク
出資対象先の企業(借り手)で返済遅延や貸倒れ(デフォルト)が起きた場合、ファンド組成企業が債務を肩代わりしてくれることはありません。
出資比率に応じて、投資家が損失を負担する必要があります。
なお投資家の負担は出資金額が上限となる有限責任ですから、最大損失金額=投資元本となります。
また貸付時の契約に「担保・保証」が付加されていれば、投資家の損失が小さくなる可能性があります。
できれば、ファンド選定時には「担保・保証あり」の案件を選びたいですね。
【リスク2の結論】 借り手企業が返済不能になった場合、投資家が投資元本を上限に損失を負担する必要がある |
リスク3.ファンド組成企業が倒産するリスク
ファンド組成企業が倒産した場合、確実に投資元本は損失を被ります。
この場合は借り手企業に対して融資した債権がどのように扱われるか?によって投資家の損失額が変わってきます。
この点について、クラウドポート社のホームページ上には何も記載が無かったので、個別に問い合わせ中です。
【リスク3の結論】 ファンド組成企業が倒産した場合、投資元本は損失を被る 融資した債権がどのように扱われるのか?損失補填になりうるのか?をクラウドポート社へ問い合わせ中 |
リスク4.流動性リスク(途中解約)
Fundsに投資すると、各案件に定められた運用期間中は現金に戻すこと(途中解約)ができません。
例えば運用期間:12か月と記載のある案件であれば、約1年は現金化できません。
現金化のしやすさを示す指標の流動性は非常に悪く、リスクは高いと言えます。
【リスク4の結論】 Fundsの流動性リスクは高い |
最大のリスクは?
ここまで4つのリスクを書いてきましたが、Fundsの最大のリスクはクラウドポート社の信用力であると私は考えます。
クラウドポートが最大のリスクと考える理由
借り手企業はアイフル社やデュアルタップ社といった実績ある優良企業で、信用力があります。
両社は上場企業しており決算書も開示されているため、投資家自身がチェックすることができまするので、危険な兆候を察知できます。
一方でクラウドポートは設立からわずか3年程度と実績が乏しく、非上場企業なので決算書を確認することもできないため、投資家が把握する術もなく飲まざるをえないリスクがあります。
金融は信用力が最も大切です。
財務体質が盤石であることが確認できない現状では、クラウドポートの信用力が最大のリスクと私は感じます。
クラウドポートが倒産したらどうなる?
クラウドポート社が倒産した場合、投資家の預託金は破産管財人の管理対象となるため、損失を被る可能性があります。
なぜならクラウドポートの破産にはFunds以外の債権者もいるはずなので、他の債権者と金額割合に応じて配当が行わるためです。
信用リスクを回避するためには?
Fundsに投資しながらクラウドポートの信用リスクを回避する方法があります。
それは預託金口座にとどめない、すなわちFunds口座にあるお金を常にファンドへ投資し続けることです。
ファンドへ投資し続ければ、借り手企業か資金需要者のもとにお金が留まります。
資金需要者が倒産しても借り手企業さえ無事であれば投資家のお金は返済されます。
そして借り手企業とはアイフル社やデュアルタップ社といった上場企業であり、失礼承知で言うと、クラウドポートより信用力のある企業です。
1円から投資できる強みが活きる!
ソーシャルレンディングの他のサービスとの大きな違いとして、Fundsは1円から投資できるメリットがあります。
Fundsで得た分配金がどれだけ少額であろうと、すぐに再投資することができます。
つまり償還や分配の都度Fundsへ再投資を繰り返すことができます。
1円たりともFunds預託金口座に残さず案件へ投資すれば、クラウドポートの信用リスクを極小化することができます。
【クラウドポートの信用リスク回避策】 常にファンドへ投資・再投資を行い、口座に現金を残したままにしない |
まとめ
今回の投稿をまとめます。
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以上、本日はここまで。
それでは!
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引用・出典
※1 Fundsのホームページ
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