中国発のコロナウイルスが世界中に猛威をふるっています。
医療的な影響はもちろんのこと、旅行やイベントの自粛、工場のストップなど経済に大きなダメージを与え始めています。
そうなると投資家が気になるのは株価への影響。
コロナウイルス発の金融危機が発生し、株価暴落といった事態は起きるのでしょうか?
コロナウイルスの状況
まずコロナウイルスによる被害状況を詳しく見ていきましょう。
被害は世界的に拡大
(図の引用:コロナウイルス世界感染マップ)
コロナウイルスは中国発の新型ウイルスで全世界的に広がりを見せており、2月21日時点で中国以外でも10,000人以上の感染者がでています。
新規の感染者は若干落ちつつあるものの、もし世界的に広がってしまうとさらなる増加を招く可能性があります。
致死力も脅威で、ここ10日は毎日のように100人以上の人が死亡しています。
世界の経済活動が止まる?
ここまで感染力と致死力が強い新型ウイルスを目の前にして、観光・貿易・製造はストップしてしまい、経済面で悪影響が出始めています。
日本国内でも東京マラソンなど人が集まるイベントは相次ぎ中止に動き、観光地には人が来なくなり宿泊業や飲食業に関わる人たちは悲鳴を上げています。
個別企業で見ると、Apple(アップル)は四半期決算見通しを既に発表していたものを取り下げました。
新型コロナウイルスの被害が予想以上に手に負えない状況のため、次の決算期の収益目標は期待できないとしています。
Apple不調の理由は、中国製造ラインのストップによりiPhoneの供給が制限されていること、販売店から客足が遠のいていることがあげられました。
コロナウイルスの株価への影響
次にコロナウイルスによる株価への影響を見ていきましょう。
中国株価は暴落
コロナウイルスの震源地である中国では3,100 → 2,700へと10%以上も株価が暴落しました。
しかしそこから徐々に盛り返しつつあるのは、コロナウイルスが与える経済的なダメージは限定的との投資家心理からくるものでしょう。
はたしてそれが正しいのか、間違っているのか・・・。
アメリカ株や日本株への影響
次に世界経済へ最も影響力のあるアメリカと我が国日本の株式市場への影響を見てみましょう。
まずは日本の株価ですが、一時の右肩上がりの勢いはなくなってしまったものの、中国のようにコロナウイルスの明らかな影響があるようには見えません。
続いてアメリカの株式市場の代表的指標:NYダウを見るとどうでしょうか。
なんと、コロナウイルスの影響を感じさせることなく緩やかに右肩上がりで株価は上昇を続けています。
ここ最近、どんな経済的に不利なニュースが出てもアメリカ株式だけは上昇し続けてきていましたが、今回も同じように絶好調のアメリカ様です。
コロナウイルス拡大期における投資戦略は?
最後に今後の投資戦略を筆者なりにまとめてみました。
GDPの大幅落ち込み=売りか?
株価に影響する主要な指標の1つに国の生産力を示すGDPがあります。
アジアの金融中心国であるシンガポールが、コロナウイルスの影響を受けてGDP成長率をマイナス2~3%も引き下げる見通しを示しています。
シンガポール国内の新型コロナウイルスの感染者は2月16日までに75人と多くないのですが、グローバル化が進んだ国においては、国家間の経済活動が制限される状況において大きなダメージを受けることを象徴しています。
これはシンガポールのみならず、世界経済をけん引する主要各国にも通ずることで、全世界的に経済成長力へダメージを与えることになるでしょう。
そうなると株価は下落するだろうと誰もが予想するところですが、安易にそう結論付けるのもよくないようです。
過去の新型感染症の事例を見ると意外な結果が
安易に結論付けてはならないと言ったのは、過去の新型感染症と株価の事例を見ると、意外な結果が見えてくるからです。
例えば2002年に猛威を不利ったSARS(サーズ)を考えてみましょう。
SARSも中国発のウイルスで約半年間も世界を怯えさせ、株式市場も日経平均株価や米国ダウ工業30種類平均は10%前後下落しました。
しかし2003年にWHOが終息宣言を発すると徐々に回復の兆しを見せ始め、日経平均株価は20%以上も上昇を見せました。
このように新型ウイルスが出てもいつかはワクチンが開発され、病気が終息に向かい、経済活動も元通りになります。
一次的に株価は下がっても回復し、さらには感染症の発生前以上に上がっていくことが観測されることから、慌てて株式を投げ売りする必要はないでしょう。
むしろ下がった時に思い切った買い出動できるくらいの資金力と度胸を準備しておくってのが最良な選択だと私は考え、虎視眈々と一時的な株価下落を待っています。
以上、本日はここまで。
それでは!
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