ソーシャルレンディングの国内シェアNo1のmaneoは自身のファンドだけでなく、他のソーシャルレンディング事業者に仕組みを提供することで一大グループを築き、多くの投資家資金を集めてきました。
しかし、maneoが危険と感じてしまう問題が次々と起きており、10/4にはキャッシュフローファイナンスが返済遅延に関するリリースが発表されました。
グリーンインフラレンディングの資金不正利用、ガイアファンディングのファンド返済遅延に続いて、投資家にとってまた悪い事故が起きたことになります。
キャッシュフローファイナンスの返済事故に伴う被害はいかほどなのでしょうか?
maneoグループは本当に危険なのでしょうか?
キャッシュフローファイナンスの返済遅延
公表されている返済遅延事故の詳細を確認してみましょう。
返済遅延の発表1 TN社
上図はキャッシュフローファイナンスのオフィシャルHPから引用した図ですが、TN社に融資した資金が回収できない問題が起きています。
皆様に多大なるご心配をおかけし申し訳ございません。
案件名 【事業者AH社向け】廃棄物をナノカーボン化する装置への投資
ファンド名
【利回り8~10%】《満期借換》ECOファンド(1~12号、14~15号、21~22号、26~27号)
【利回り8~12%】《登録ユーザー数3000人突破記念》ECOファンド(満期借換1~2号)
【利回り8~12%】ECOファンド(満期借換1~4号)
【利回り8~10%】ECOファンド(満期借換5~7号)
融資金総額 199,999,814円
URL https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=337 他
残高 199,999,814円
遅延の理由ならびに今後の見通しについて、次の通りご説明申し上げます。
【経過】
事業者AHは、最終資金需要者TN社所有の「廃棄物をナノカーボン化する装置」を2017年10月1日に買い取り、2018年9月30日に売り戻す契約を締結しました。
CFFでは、この契約に基づき、事業者AHが得られる代金を元本の返済原資として投資家の皆様から資金を募集し、事業者AHに貸付を行いました。
TN社の事業は継続しており、本装置を買い戻す意向もありますが、代金の資金調達を2018年9月30日までに行うことができず、返済遅延に至りました
なるほど、キャッシュフローファイナンスが融資した事業者AHからTN社にお金が渡り、TN社の事業が苦しく返済できないというのが原因のようです。
しかし、融資した約2億円の全額が返済できないって、かなりやばいですよね・・・。
デフォルトさえ懸念してしまいます。
返済遅延の発表2 KB社
上図はキャッシュフローファイナンスのオフィシャルHPから引用した図です。
こちらはKB社に融資した資金が回収できない問題が起きています。
皆様に多大なるご心配をおかけし申し訳ございません。
ファンド名
【利回り8~10%】《満期借換》テクノロジーファンド(1~7号)
案件名 【事業者AH社向け】薄膜透明LEDビジョンを使用した広告事業への投資
融資金総額 42,994,952円
URL https://www.cf-finance.jp/fund/detail?fund_id=353 他
残高 42,994,952円
遅延の理由ならびに今後の見通しについて、次の通りご説明申し上げます。
【経過】
事業者AHは、最終資金需要者KB社所有の「薄膜透明LEDビジョン」を2017年9月29日に買い取り、2017年10月31日から毎月末に順次売り戻す契約を締結しました。
CFFでは、この契約に基づき、事業者AHが得られる代金を返済原資として投資家の皆様から資金を募集し、事業者AHに貸付を行いました。
KB社の事業は継続しておりますが、販売代理店からの施工代金の入金遅れにより、2018年9月30日の代金の支払を行うことができず、返済遅延に至りました。
キャッシュフローファイナンスが融資した事業者AHからKB社に最終的に融資され、KB社の事業が苦しく返済できないというのが原因のようです。
こちらも融資した約4千万円の全額が返済できていません。
やはりデフォルトが懸念されます・・・。
想定される投資家の被害金額は?
投資家のお金はどうなるのでしょうか?
投資金額が全損となってしまうのでしょうか?
この疑問に答える重要なメッセージがプレスリリースの中に書かれてありました。
なお、CFFでは、事業者AHに対して募集ページ記載の担保措置・保証措置・保全措置を実行することによる回収について検討いたしましたが、TN社は資金調達を引き続き進めており、事業者AHに対する代金支払いの可能性は高いと判断し、現時点ではこれらの措置を行わず、一旦、TN社からの返済を原資とする事業者AHによる自主回収を管理することといたしました。
万一、最終融資先のTN社やKB社がデフォルトになっても、担保から投資家資金を回収する方法があると書かれています。
担保とはどんなものでしょうか?
【TN社の担保】
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【KB者の担保】
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上記の担保の内容を見ると、両社とも今回の融資で開発する商品・技術・設備が担保対象となっていて、私は大きなリスクを感じます。
担保が不動産であれば適正な評価額が出てくるのですが、新商品・技術であれば価値を見積もることが困難です。
開発する商品自体に価値があるものか?が重要なポイントであり、市場に認められない商品であれば、担保保全として機能しない危険性があります。
今回の返済遅延に当たってしまった投資家は、投資元本がほとんど戻ってこない最悪のケースも想定する必要がありそうです。
なぜmaneoグループで事件が頻発するのか?
maneoグループで返済遅延が多発し始めたきっかけは、グリーンインフラレンディングの資金不正利用が契機になったと思われます。
関連記事)maneoで不正運用が発覚?NHKが報じた疑惑の真相とは |
この事件によりmaneoは金融庁から業務改善命令を受けました。
maneoはマーケットを利用する全ソーシャルレンディング事業者を厳しくチェックするようになり、以前は見過ごされたグレーなファンドの募集ができなくなった可能性があります。
この仮説が正しければ、しばらくはmaneoグループの各ファンドで同様の返済遅延等の事故が起きるかもしれません。
maneoグループ |
一時的にはmaneoの投資家にとって辛い状況ですが、この状況を私はポジティブに捉えています。
無理なファンドの募集や資金利用は、いずれ問題となって投資家に大きな被害をもたらすことになります。
融資にデフォルトはつきものですので、適切な審査、適切な管理を行ったうえで返済不能となることは、致し方のないことでです。
問題はしっかり明らかにして、ソーシャルレンディングが透明性の高い投資商品となっていくことを期待しています。
私が信頼するソーシャルレンディング事業者は?
最後に、徹底的な分析を行ったうえで私が信頼して投資を行っているソーシャルレンディング事業者をご紹介します。
資金の不正利用などはまずありえないでしょうし、ファンド情報も豊富なので、楽しみながら投資できます。
おすすめのソーシャルレンディング事業者①
1つ目のOwnersBookは不動産専門のソーシャルレンディング事業者であり、2017年9月には運営会社のロードスターキャピタル社が東証マザーズ市場に上場しました。
参考記事)オーナーズブックの評判や口コミ|1年間投資した私の実績を踏まえ本音で語ります! |
おすすめのソーシャルレンディング事業者②
2つ目のクラウドクレジットは、海外事業者への融資に特化したソーシャルレンディングであり、海外ならではの高利回り案件がずらりと並びます。
また伊藤忠商事などの優良企業から出資を受けるなど、業界内・外からの評判も高い事業者です。
参考記事)クラウドクレジット|利回り10%以上!の運用実績をブログで公開(最新版) |
以上、本日はここまで。
長文となり恐縮です、お付き合いいただきありがとうございました。
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