金利7%!でも、イオン銀行の「しっかり運用セットNEO」をおすすめしない3つの理由

投資信託

 

イオン銀行は金利7%の定期預金をうたい文句に、「しっかり運用セットNEO」という金融商品を販売しています。

 

本当なら日本最高の高金利な定期預金となりますが、そんなうまい話はあるのでしょうか?

 

そこで今回は「しっかり運用セットNEO」を徹底的に調べあげ、個人的な見解でおすすめ度を発表します!

 

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しっかり運用セットNEOとは?

しっかり運用セットNEOはイオン銀行が開発、販売を行う金融商品です。

 

「3カ月物 定期預金7%」とものすごくアグレッシブな宣伝をしていますが、実際のところどうなのでしょうか?

 

商品の仕組みは預金+投信

この商品の特徴は、投資信託と定期預金を同時セットで申込む点にあります。

 

申込総額に占める投資信託の割合によって、定期預金に特別金利を適用することになってます。

 

早い話が、「投資信託をたくさん購入・運用してくれれば、イオン銀行が高金利の定期預金を売ってあげるよ」ってことです。

 

3種類の商品

投資信託と定期預金の配分比率に応じて、定期預金の金利が高くなる特徴があります。

 

まとめると下表のようになります。

プラン名組合せ割合定期預金金利(※)
定期預金投資信託
セット7030%以下70%以上~100%未満年利7
セット5050%以下50%以上~70%未満年利5
セット3070%以下30%以上~50%未満年利3

 

※定期預金は期間:3ヶ月もの、金利は税込み表記

 

最低投資金額は?

最大7%の特別金利の適用を受けるなら、最低投資金額は50万円必要です。

 

最低投資金額:50万円の時、預金と投資信託の内訳は以下の通りです。

 

●セット70(金利7%):投資信託35万円以上、定期預金15万円以下

●セット50(金利5%):投資信託25万円以上、定期預金25万円以下

●セット30(金利3%):投資信託15万円以上、定期預金35万円以下

 

メリットとデメリット

メリットは何と言っても金利3%~7%の定期預金を持てる点です。

 

定期預金は元本保証なので、金融機関が破産しない限りは必ず元本+金利収入が戻ってきます。

 

また投資信託が値上がりすれば、2重に利益を得ることができます。

 

一方のデメリットは、投資信託を保有するので元本割れするリスクがあることです。

 

金利7%は魅力的?

金利7%が脚光を浴びて、いかにも良い投資商品のように見えますが、本当に魅力的と言えるでしょうか?

 

例えば50万円預けたとしてシミュレーションしてみましょう。

 

セット70を適用するために、投資信託は最低35万円、定期預金は15万円ということになります。

 

金利7%の3ヶ月もの定期預金を15万円預けると・・・

 

税引き前:15万円 × 7% ÷ 12カ月(1年) ×3ヶ月= 約2,625円

税引き後:2,625円 ー (2,625円 × 20.315%)=約2,092円

 

つまり高金利の定期預金で得られる金利収入は50万円投資して約2,092円です。

 

魅力的に感じますか?

 

私はおすすめできないという考えです。

 

おすすめしない3つの理由

なぜ、私がイオン銀行の「しっかり運用セットNEO」をおすすめしないと言うのか。

 

理由は3つあります。

 

理由① 投信の種類が少ない

まず1点目が投信の選択肢が限られている点があげられます。

 

「しっかり運用セットNEO」に対応した投資信託は200弱しかありません。

 

通常、国内投信だけでも何千種類とあるのにわずか200となると、「イオン銀行にとって手数料面などで条件の良い商品しか扱ってないのでは?」と疑ってしまいます。

 

実際、人気が高いインデックス投信(手数料や維持費用が安い投信)で「しっかり運用セットNEO」に対応するのは、日経平均連動型の1銘柄のみです。(2019年5月20日時点)

 

優れた投信を選べないとなると、せっかく高金利の定期預金で得た金利収入が、投信の評価損によって打ち消されるリスクが高まります。

 

理由② 投信の商品比較の機能が弱すぎる

上図は「しっかり運用セットNEO」の投信の比較機能ですが、何とも残念なつくりになってます。

 

まず同時に比較できる投信が4商品に限られています。

 

多くの商品を並べて一括で比較できた方がユーザーにとって効率的なのは明らかにも関わらず、非効率なUIです。

 

また表示された情報も不足感が否めません。

 

販売時手数料はいくらなのか?

 

手数料は0%~3%台と幅があり、投信を購入するうえで非常に重要な要素ですが、上図の通り比較表に記載がありません。

 

また、どれだけ実績のあるファンドか知りたくても、残念ながらファンドの組成日も分かりません。

 

理由③ 金利7%でも手数料だけでマイナスになるリスク

これが最大の理由とも言えますが、金利7%でも投信の手数料だけでマイナスになるリスクが十分に考えられる点です。

 

インデックス投信はわずか1銘柄なので、基本的に販売手数料や信託報酬が相応にかかる投信しか対応してないことが分かります。

 

低めに見積もって、販売手数料:1%、信託報酬:0.5%で計算してみたらどうなるでしょうか?

 

セット70に最低投資金額50万円を投資し、うち投資信託は35万円を配分と仮定すると・・・

 

税引き前:35万円 × 1% + 35万円 × 0.5%=約5,250円

 

定期預金の金利収入と費用を比較すると・・・

 

定期預金:約2,625円 < 投信の手数料:約5,250円

 

投信の手数料の方が大きく、投資家は損をすることになります。

 

上記の計算の前提を販売手数料:1%、信託報酬:0.5%と置きましたが、決して高い水準ではなく、私の肌感覚では平均より低いくらいだと思います。

 

このような結果になるなら、販売手数料:0で信託報酬:0.5%未満がザラにあって種類も豊富なインデックス投信に投資した方がよっぽどマシだと私は思います。

 

まとめ

●イオン銀行が販売する「しっかり運用セットNEO」は投資信託+定期預金の組み合わせ金融商品で、投資信託が占める割合によって定期預金の金利が変動する

●投資信託の割合を70%以上すれば、定期預金は7%と高金利で魅力的に見える

●しかし投資信託の種類は乏しく、インデックス投信もほぼ選択肢に無いため、手数料によって金利は無かったことになる恐れあり

●投資信託の選択肢が広がらない限り、私はおすすめしない

 


以上、本日はここまで。

それでは!

 

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