これまでも何度か投稿してきたミャンマーの証券取引所の開設について、ついに2015年12月にオープンしましたので紹介したいと思います。
以前よりこのブログでもご紹介の通り、ミャンマーは投資に関する法整備が不十分で、外国人投資家は株式や不動産の投資ができませんでした。例外的にミャンマー以外の証券取引所を通じてミャンマー企業に投資する方法はありましたが、、、詳細は過去の投稿を参照ください。
海外の投資家から期待されていた証券取引所の開設が実現されたわけです。
証券取引所の開設
2015年12月9日、ミャンマー初の証券取引所「ヤンゴン証券取引所(YSX)」が正式に開業しました。
ヤンゴン証券取引所開設にあたり、実は日本が深く関わってきました。国営のミャンマー経済銀行が出資する会社を日本の大和証券グループや日本取引所グループが共同運営してます。また、取引規制などについても日本が協力しており、日本の全面バックアップにより開設にこぎ着けたと言っても過言ではありません。
特に大和グループのミャンマーへの関与は古く、将来的な取引所設立のプロジェクトを提案するため、タイ・バンコクのスタッフが当時の軍事政権関係者と会ったのは1993年でした。大和グループが当時の軍事政権に初めて接触してから22年、長期に渡る道のりを経て開設に至ったわけです。
上場予定の企業一覧
ヤンゴン証券取引所は開設されましたが、実際の取引はまだ始まってません。2016年2月~3月のスタートになると見られています。
上場する企業は審査手続き中で、実際の取引開始は来年になる予定です。上場条件を満たした、もしくはほぼ満たしていると発表されている企業6社は以下の通りです。
・ファースト・ミャンマー・インベストメント(FMI)
・ファースト・プライベート銀行
・Great Hor Kham公社
・ミャンマー・アグリビジネス公社(MAPCO)
・ミャンマー市民銀行
・ミャンマー・ティワラSEZホールディングス(MTSH)
課題:引受け証券会社の不足
上記6社は上場に向けて準備を進めてますが、遅延気味であると伝えられています。最も大きな課題は、引受け証券会社の不足です。
当初、証券取引所の開設に合わせて、引受け証券会社も10社ほど発表される予定でした。しかし、実際にこれまでに発表されているのは、KBZスティアリング・コールマン社の1社のみとなっています。
この課題を解決するため、急ピッチで引受け証券会社の準備、免許交付の手続きが行われています。
外国人投資家のミャンマー株購入
さて、我々が最も関心のある外国人投資家のミャンマー株購入についてです。
現行の制度では外国人投資家は株式購入できません。しかし2016年の改正が予想されている新会社法では、外国人の持ち株が認められることが期待されています。
外国人が市場で株を買うことができるようになれば、海外の投資資金が流入するきっかけになります。また、外資が出資する合弁企業の上場の可能性も出てきます。
以上、本日はここまで。
ミャンマーの株式投資のインフラが整いつつありますね。現時点で外国人投資家は参加できませんが、今年の改正会社法の結果によっては、その門戸も開かれるわけです。引き続きミャンマー市場の動向を注意深く見守りたいと思います。
それでは!
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