現代の3大投資家と言えば、
- ウォーレン・バフェット
- ジョージソロス
- ジム・ロジャーズ
この名前を上げる人が多いと思います。
2018年の株式等の投資相場を3大投資家がどのように分析し予想しているか調べてみました。
3大投資家による過去の分析・予想
実は当ブログでは、2016年・2017年の年初にも三大投資家の相場予想について取り上げてきました。
2016年の予想と結果
投資家 | 2016年 相場観 | 理由 | 結果 |
バフェット | 不明 | ・理由は分からないが、とにかく楽観視 | ー |
ソロス | 超ネガティブ | ・中国経済のリスク ・原油等の商品価格の下落 | △ 上期は当たり 下期はハズレ |
ロジャーズ | ネガティブ | ・中国経済のリスク ・EU経済の減速、ギリシャなどの混乱 | △ 上期は当たり 下期はハズレ |
2016年相場の予想について、3大投資家のうちソロス氏とロジャーズ氏の2人がネガティブに見ていました。
実際には、上期は中国株式市場のサーキットブレーカー発動など株式を中心に悪い投資環境が続きました。
しかし下期はトランプ政権の誕生をきっかけに、米国発の世界同時株高が起きて良い環境となりました。
それゆえ、株式相場をネガティブに見ていたソロスとロジャーズの予想結果は、玉虫色の△でした。
【2016年相場予想の詳細はこちら】 |
2017年の予想と結果
投資家 | 2017年 相場観 | 理由 | 結果 |
バフェット | ポジティブ↑ | ・理由は分からないが、とにかく楽観視 | ○ 当たり |
ソロス | ネガティブ↓ | ・トランプ政権のリスク ・EU離脱の拡大、EU崩壊 | × ハズレ |
ロジャーズ | ネガティブ↓ | ・トランプ政権のリスク ・ドル高による金利上昇 | × ハズレ |
2017年相場の予想について、3大投資家のうちソロス氏とロジャーズ氏の2人がネガティブに、バフェット氏はポジティブに見ていました。
実際には、全期間を通じて基本的に良い相場環境が続きました。
日本株も20,000円台を大きく超えて、1990年代のバブル期以来の株高になるほど好影響を受けています。
株式相場をネガティブに見ていたソロス、ロジャーズ氏は大ハズレな予想をしてしまったことになります。
過去2年の予想を見たところ、3大投資家のうちソロス氏とロジャーズ氏は明らかにハズレの予想をしていることが分かります。
特にソロス氏はハズレ予想のまま「空売り」で挑んだ結果、大きな損失を出したとも言われています。
世界3大投資家も相場環境は見誤るものなので、人の話を鵜呑みにして投資すべきじゃないことが良く分かりますね。
【2017年相場予想の詳細はこちら】 |
3大投資家による2018年相場の予想
さてここからが本題で、3大投資家による2018年相場の予想を取り上げます。
ウォーレン・バフェット氏の2018年相場の予想
米国最大の投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる投資の賢人ことバフェット氏は、米国経済に信頼を寄せており、保有株の維持を宣言しています。
実際に、適温の経済情勢「ゴルディロックス相場」を背景に世界的な株高が続き、2018年1月には米国ダウ平均は史上最高値の25,000ドルを突破しました。
バフェット氏はリベラル寄りの思想を持つため、保守派のトランプ政権の誕生に対して「面白くない」というのが本音でしょう。
しかしトランプ相場には高い評価をしているため、心の中にある信条はさておき、トランプ相場に乗って投資しようと考えているようです。
強い投資欲とは裏腹に、2017年8月頃のインタビューでバフェット氏は悩みを吐露しています。
数年前から続く株の強気相場で、株価はこれまでの大半の時期ほど割安ではない
バフェット氏は割安株へ投資する「バリュー投資」と呼ばれる手法を使うため、現在のような一方的な株高市場では投資先がないという悩みが出てしまうようです。
その影響から、バークシャー・ハサウェイの手元現金が1000億ドル(約11兆円)まで膨れ上がっており、機会損失が生じています。
市場が調整局面に入るのを待ちわびているのでしょうね。
いずれにしましても、バフェット氏の2018年相場予想はポジティブということがよく分かりました。
ジョージ・ソロス氏の2018年相場の予想
「2017年の予想と結果」にも書いた通り、ジョージ・ソロス氏はトランプ政権によって株価が下落すると考えて空売りをしかけた結果、大きな損失を出してしまいました。
「トランプが嫌い」という私情で投資してしまったツケを払わされた格好で、私たち個人投資家にとっても大切な教訓ですね。
大損失を出したことでさすがに反省したソロス氏は、2017年下期~年末にかけて「トランプ銘柄」と言われる企業に投資を始め、利益を確保していると言われています。
例えばリバティ・ブロードバンドという情報通信系の会社に投資して、成果をあげたとも言われています。
さてそんなジョージソロス氏ですが、2018年の予想に関する情報を見つけることができませんでした。
近年、予想を外しまくっているからなのか、メディアに取り上げられるのは損失のニュースが多いようです。
ジム・ロジャーズ氏の2018年相場の予想
ロジャーズ氏は投資先のマーケットを選別しつつも、全体的には良い投資環境とみなして、積極的な投資を行っているようです。
米国株に対しては高すぎると評価してやや弱気の姿勢を持つ者の、ここ数年ロジャーズ氏が一貫してお勧めする中国株やロシア株は変わらず強気で見ているようです。
そして以前は弱気に見ていた日本株について、今は非常にポジティブな見解を持っています。
日本株へポジティブな理由は、インタビューのコメントによると・・・
ここ数年、安倍政権が株価を支えるために何でもする。
実際に日本銀行が日本株に連動するETFを購入し、株の保有者を喜ばせている
つまり日本株は官製相場を評価して強気であるとのことで、日本企業を褒めたわけじゃないという皮肉な話でした。
以上のことから、ロジャーズ氏は2018年相場をポジティブに見ているようです。
ジム・ロジャーズの最新の見解(2018年2月時点)
2018年2月、ジム・ロジャーズ氏が現在の株式相場に悲観的見解を持つことをアメリカ大手金融メディアのブルームバーグが明らかにしました。
その内容は未曽有の金融危機を示唆するものでした。
世界的な金融危機が起きる?
ジム・ロジャーズ氏は、株式相場が次に弱気な相場となった場合、これまでのいかなる下降局面よりも深刻なものになると見通しを明らかにしました。
再び弱気相場に入る時は、人生最悪のものとなろう。
債務はあらゆる場所に存在し、今やさらに大きく増えている。
引用:Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-02-09/P3V77E6JIJUO01
もしサブプライムローン問題のような金融危機が再来した場合、NYダウ市場は2007年10月の高値と09年3月の安値の比較で50%余り暴落したので、現在の水準であれば25,000 → 12,500へ急落する恐れがあります。
またサブプライムローン問題の前の危機的相場としてITバブルがありますが、2000年の高値と2002年の安値を比較すると38%も急落しました。
NYダウとの相関関係が強い日経平均株価も同じ水準での株価下落が懸念されます。
2018年に金融危機が起きる?
投資家にとって最大の関心事はいつ金融危機が起きるのか?でしょうが、ジム・ロジャーズ氏はその時期を明言していません。
それどころか短期的には株式相場を楽観視する発言が出ているようなので、喫緊の問題ではないと考えているようです。
3月に連邦公開市場委員会(FOMC)が追加利上げを決定するまで恐らく神経質な状態が続くが、相場はその後上昇しそうだ。
引用:Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-02-09/P3V77E6JIJUO01
そうすると、2018年に金融危機が起きることはないのかな・・・。
まとめ
3大投資家の2018年の予想をまとめると下表のとおりです。
投資家 | 2017年 相場観 | ポジティブ 要素 | ネガティブ 要素 |
バフェット | ポジティブ ↑ | 堅調な米国株 | 米国株が高すぎる |
ソロス | 不明 | 不明 | 不明 |
ロジャーズ | ポジティブ ↑ |
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バフェットやロジャーズのポジティブな相場感がよく理解できました。
一方でロジャーズ氏がネガティブ要素であげた「あらゆるマーケットがバブルの様相」というのは私も思うところがありまして、近々暴落することもあるのでは?と懸念を持ってます。
冷静に見極めながら投資したいものです。
以上、本日はここまで。
それでは!
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