ジャパンライフ株式会社の倒産がニュースで話題になっています。
話題の理由は、負債総額が2,000億円以上という大規模であることに加え、多数の個人のお金が被害に合っていることにあり、投資詐欺では?という声も高まっています。
ジャパンライフのビジネスモデルには年利6%をうたった投資的な要素も含まれており、高齢者を中心に被害者が多数出ているようです。
ジャパンライフとは?
磁気治療器や化粧品などの販売を手掛けた企業で、ピーク時の昭和60年には売上高1509億円を計上しました。
ジャパンライフの会社概要
会社概要は以下の通りです。
従業員数や資本金の金額からすると、大きな会社であることが分かります。
- 会社名:ジャパンライフ株式会社
- 所在地:東京都千代田区
- 創 業:1975年3月
- 従業員:746名(2017年5月時点)
- 資本金:4億7,640万円
- 事 業:「家庭用永久磁石磁気治療器の製造・卸・販売」、「化粧品の卸・販売、健康寝具の製造・卸・販売」、「栄養補助食品、清涼飲料水の卸・販売」
ジャパンライフの倒産までの経緯
ピーク時に1,500億円もの売上高を誇ったジャパンライフは、なぜ倒産にいたったのでしょうか。
マルチ商法の社会問題化とともに事業縮小
実はジャパンライフのビジネスモデルの中には個人消費者を巻き込んだマルチ商法の要素が含まれており、「マルチまがい商法」が社会問題化したことで、事業を縮小していきました。
平成13年には業績悪化の影響を受けて納税ができなくなり、東京国税局から所有不動産の差押を受けていました。
度重なる行政処分
その後、なんとか復活を果たしたジャパンライフは再び事業を拡大させ、平成28年は売上高248億5360万円を計上しました。
しかし、平成28年12月、29年3月と立て続けに消費者庁から預託法や特商法違反で行政処分を受けました。
さらに平成29年年11月に3度目、同年12月に4度目の行政処分を消費者庁から受けたことで、信用は大きく失墜してしまいました。
事実上の倒産へ
異例の4度の行政処分を受けたジャパンライフは、営業活動がまともにできなくなり、銀行からの借入金の返済が滞ってしまいました。
平成29年12月15日には山口ひろみ社長が代表取締役を辞任し、会社が機能しなくなるほど混乱を極めました。
ジャパンライフが東京商工リサーチに提示した2017年3月期の決算書によると負債総額は134億円ですが、消費者庁が要請した第3者の公認会計士によると、磁気治療器など特定商品の仕訳不備が指摘されており、修正後の負債総額は2405億円にのぼると言われてます。
会社が申告していた金額と比較して20倍もの借金を隠していたことになります。
ジャパンライフは詐欺だった?
ジャパンライフは、消費者からの資金を預かり、自社商品をレンタルに出すことでビジネスモデルが成り立つ仕組みでした。
会社が危機的状況であったにも関わらず、多くの個人からお金を募集し続けた同社の姿勢に対して詐欺ではないか?という声が上がっています。
ジャパンライフのビジネスモデル
ジャパンライフは、購入した磁気治療器を別の顧客にレンタルするオーナーになれば、年6%ほどの収入を得られる「レンタルオーナー契約」という預託商法を展開していました。
磁器治療器は100万円以上もする高額な契約であったようです。
さらには、購入した商品を周囲に宣伝したという理由で顧客が年6%の「活動費」を受け取れる「誘引販売契約」というマルチ商法(ネットワークビジネスとも言う)も展開しました。
被害者団体がジャパンライフを告訴!
債務超過の財務状況を顧客に隠して勧誘したなど詐欺や預託法違反を理由に、被害対策弁護団が愛知県警察に告発状を提出しました。
消費者庁の調査で、同社が2017年3月末時点で338億円の債務超過になったこと、またレンタルオーナーの契約数よりも実在の磁気ネックレスが大幅に不足していることも判明しています。
弁護団の声明によると、ジャパンライフの本来のビジネスであるネックレスのレンタル事業はユーザー数が少ないにも関わらず、オーナー契約を積極的に行ったのは「自転車操業」の典型的なやり口と批判しています。
同社の商法は、実質的に元本と年利6%程度の利回りを顧客に保証するもの。
会社はこれを上回る収入を得なければ成り立たないが、ネックレスのレンタルユーザーは少なく、破綻している。
新たな客の契約代金を既存の顧客への利回りに充てる『自転車操業』状態だ。
消費者の被害金額は?
ジャパンライフの負債総額は2,405億円(平成29年3月末時点)で、平成29年7月末の預託者数(会員)は6000~7,000名にものぼると言われています。
オーナー契約対象の磁器商材は単価100万円~600万円とも言われているため、数百万円や数千万円の被害に合っている人もいるでしょう。
この事件は「オーナー」と「投資」の要素が含まれており、私は安愚楽牧場の詐欺事件を思い出しました。
安愚楽牧場詐欺の際も、多くの投資家がお金を失う悲しい結果となりました。
今後、ジャパンライフ事件の真相解明と、少しでも資金が個人に返済されることを願ってます。
筆者の最近のおすすめ投資は?
ジャパンライフへの投資を検討した人は、どこに魅力を感じたのでしょうか?
年利6%以上という利回りの高さに魅力を感じたのかもしれません。
年間利回り5%近辺を安定的に得たいならば、ここ最近ブームの兆しがあるソーシャルレンディングも合わせて検討してはいかがでしょうか。
ソーシャルレンディングであれば高利回りに加え、運営会社が上場していたり、有名な大手企業から出資を受けていたりと、相対的に安心感のある事業者が多数あるからです。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングとは、個人投資家が企業や個人へ融資を可能にするプラットフォームです。
ソーシャルレンディングの融資案件ごとに利回りが予め決まっており、投資家は利回りに応じた分配金を得ることができます。
代表的なソーシャルレンディング事業者
ソーシャルレンディング事業者は20を超えるとも言われますが、いくつか代表的な事業者を紹介しておきます。
例えば・・・
1つ目のFunds(ファンズ)は、2019年1月にサービスリリースしたばかりの新しいソーシャルレンディングですが、総額7,000万円超第一号ファンドがわずか15分そこらで完売するなど業界で一番話題になっている事業者です。Fundsを運営するクラウドポート社はみずほフィナンシャルグループから出資を受けるなど、業界内・外から高い評判を得ています。 |
2つ目のOwnersBookは不動産専門のソーシャルレンディング事業者であり、2017年9月には運営会社のロードスターキャピタル社が東証マザーズ市場に上場しました。 |
3つ目のクラウドクレジットは、海外事業者への融資に特化したソーシャルレンディングであり、海外ならではの高利回り案件がずらりと並びます。 また伊藤忠商事などの優良企業から出資を受けるなど、業界内・外からの評判も高い事業者です。 |
以上、本日はここまで。
それでは!
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