今回は株式投資型クラウドファンディングのサービスを提供するエメラダ・エクイティについてご紹介します。
株式投資型クラウドファンディングとは?
エメラダ・エクイティをご紹介する前に、そもそも株式投資型クラウドファンディングについて解説します。
株式投資型クラウドファンディングの概要
インターネットを活用して出資を募るサービスをクラウドファンディングと呼びますが、ベンチャー企業等の未公開株を出資の対象とするものが株式投資型クラウドファンディングです。
投資家は通常の株式投資と同様に売却益や配当を期待して投資しますが、IPO(新規株式公開)やM&Aといったイベントがなければ売却は難しいため、長期保有を視野に入れる必要があります。
また「未公開株」と言えば、従来の評判やイメージから投資詐欺を連想する人も多いでしょう。
しかし、2015年5月施行の改正金融商品取引法によって株式投資型クラウドファンディングが解禁となり、明確なルールのもとで未公開株の取引が可能になりました。
【主なルール】
- クラウドファンディング業者は金融商品取引業者として登録を受ける必要がある
- 企業の資金調達上限は1社につき年間1億円未満
- 投資家の投資額上限は1社につき年間50万円以下
- クラウドファンディング業者の勧誘方法はウェブサイトや電子メールに限定され、電話や訪問による勧誘は禁止
世界の市場
(“Massolution Crowdfunding Industry 2015 Report”から筆者が作成)
Massolution社のレポートによると、世界のクラウドファンディング市場は2015年時点で約34.4億ドル(約3,784億円)と推計されていました。
2015年とデータは古いのですが、いかに右肩上がりでクラウドファンディング市場が成長しているか分かりますね。
そして内訳は融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)が約73%と大部分を占めており、株式投資型クラウドファンディングの割合は約7%です。
(“Massolution Crowdfunding Industry 2015 Report”から筆者が作成)
日本の市場
(矢野経済研究所の「国内クラウドファンディング市場の調査」から筆者が作成)
一方で日本のクラウドファンディング市場は、2015年が約379億円、2016年が約746億円と推計されています。
そして内訳はソーシャルレンディングが約90%と圧倒的な割合で、株式投資型クラウドファンディングは、わずか0.1%しかありません。
(矢野経済研究所の「国内クラウドファンディング市場の調査」から筆者が作成)
株式投資型クラウドファンディングの投資割合が低い理由は、上で説明した通り日本ではようやく最近に法整備されたばかりで、サービスを提供する業者がエメラダ・エクイティを含め3社しかありません。(2017年12月時点)
世界市場ではクラウドファンディング全体の約7%を株式投資型が占めることから、日本市場でも今後の成長が期待できるでしょう。
【参考:日本の株式投資型クラウドファンディング業者】
- エメラダ・エクイティ(← 今回詳しくご紹介します)
- FUNDINNO
- GoAngel
エメラダ・エクイティの運営会社
エメラダ・エクイティは、2017年11月に第1号案件をリリースした株式投資型クラウドファンディングのサービスであり、運営はエメラダ株式会社が行っています。
クラウドファンディングは発展途上の業界なので、運営会社が公開する情報や口コミなどの評判から、良し悪しを見極めることが大切です。
そこで、まずはエメラダ社について詳しく見ていきましょう。
エメラダの会社概要
(画像引用:エメラダ・エクイティHP https://emeradaco.com)
エメラダ社は2016年6月に設立され、ベンチャーキャピタルのD4Vや大手金融機関などから出資を受けてエメラダ・エクイティの準備を進めてきました。
2017年9月に第一種少額電子募集取扱業者として関東財務局に登録されたことで、いよいよエメラダ・エクイティをスタートさせました。
2.2代表の澤村 帝我 氏とは?
(画像引用:エメラダ・エクイティHP https://emeradaco.commembers)
エメラダ社の代表取締役社長 兼 CEOの澤村 帝我氏について経歴を調べてみました。
起業前は野村證券やゴールドマン・サックス証券にて企業買収や資金調達の助言業務に従事していました。
ゴールドマンサックスと言えばアメリカに本社がある世界最大の投資銀行で、超!優秀な人ばかりいるイメージを私は持ってます。
澤村氏にはゴールドマンサックス時代に培ったM&AやIPOの経験を活かして、ぜひエメラダ・エクイティで優良案件を紹介して欲しいですね。
2.3エメラダは期待のベンチャー企業
設立からわずか1年あまりのエメラダ社ですが、著名なベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けたり、各種メディアで取り上げられるなど、業界内・外から高い注目を浴びています。
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メディア |
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エメラダ・エクイティの特徴やメリット
続いて、エメラダ・エクイティの特徴やメリットをいくつかご紹介します。
特徴① 企業や事業を応援できる
エメラダ・エクイティでは厳選されたスタートアップ企業が投資対象となるため、世の中を良くしよう、変えようといった魅力ある事業を応援できます。(「厳選」の詳細は後ほど説明します)
個別企業毎に具体的にどんな内容で個人の投資家の方々からサポートをいただきたいのかを、エメラダ社がヒアリングをし、投資家の方からのサポートをお願いしていく仕組みを作っているようです。
例えば、企業の新商品やサービスをインターネット上で拡散してほしい、人材採用や事業拡大のために適任の人を紹介してほしい等のニーズが考えられますね。
事業内容や経営者の思いに共感した会社に投資することで、間接的に自分の夢や社会目標を達成できるチャンスです。
特徴② 大きなリターンを得る可能性がある
未公開株に投資する最大のメリットは、投資先企業がIPOやM&Aを迎えて大きなリターンを得る可能性があることです。
エメラダ・エクイティで資金を募集する企業は基本的にスタートアップであり、これから成長を見込める企業です。
価値が小さいうちに投資した後、将来的にソフトバンクや楽天のような大企業になれば、投資元本が何十倍にもなって戻ってくる可能性があります。
特徴③ VCやエンジェル投資家が投資する案件に厳選
エメラダ・エクイティでは、VCやエンジェル投資家といったプロの投資家が投資した企業のみ案件として扱うことになってます。
その理由は、投資家にとって本当に良い企業、すなわちリターンを得る可能性が高い企業を紹介したいという思いがあるからです。
VCやエンジェル投資家といった外部が目利きをして良いと判断された企業であれば、継続的な成長によって投資家がリターンを得る可能性が高まるとエメラダ・エクイティは考えています。
特徴④ 投資家は新株予約権を保有する
エメラダ・エクイティの投資家は新株予約権を保有することになります。
(画像引用:エメラダ・エクイティHP https://emeradaco.comseed)
新株予約権とは投資時には株式を取得せず、将来株式を取得する「権利」を保有し、将来この「権利」を行使することで株式を取得することができます。
他の国内の株式投資型クラウドファンディング投資家が普通株式を保有するのに対して、エメラダ・エクイティではなぜ新株予約権なのでしょうか?
その理由は、投資先企業が投資家対応に追われることを避けるためです。
普通株式で資金調達を行うと、年に多ければ10回以上、100~200人の個人株主の対応をする必要が出てきます。
投資家対応の負担は本業の支障になりますし、そもそも優秀な企業であれば普通株のスキームは使わないため、エメラダ・エクイティはあえて新株予約権のスキームを選択しています。
特徴⑤ 株式の取得割合が決定しない
一般的な新株予約権は投資家が将来受け取る株式数が発行時に決まりますが、エメラダ型新株予約権では将来設定される「転換価額」に基づき決定します。
その理由は、投資開始時点で評価したベンチャー企業の企業価値は必ずしも適正とは限らないため、企業の適正価格で投資家に株式を提供したいという思いがあるようです。
なお転換価額の決定を将来に先延ばしする手法は、シリコンバレーのベンチャー投資でも一般的な手法です。
エメラダ・エクイティのリスク
続いて投資家が負うリスクについて解説します。
株式投資型クラウドファンディングは大きなリターンを得る可能性がある一方でリスクも大きいため、投資家は正しい認識のもと投資判断が必要です。
途中解約や売却ができない
エメラダ・エクイティで得た新株予約権は、解約することはもちろん売却することも難しく、流動性が極めて低い投資商品です。
投資家はIPOやM&Aといった出口を迎えるまで長期保有することを念頭に置く必要があります。
発行者が解散した時は全損になる
エメラダ型新株予約権を取得後、その発行者が解散すると権利は自動的に消滅してしまい、株式や金銭は一切取得できず、投資元本は全損となります。
投資から10年経過後
エメラダ型新株予約権を取得後、IPOやM&Aといった権利行使のタイミングが訪れずに10年間が経過すると、権利は自動的に消滅してしまいます。
ただし10年間の最後の1ヵ月については企業が上場しなくとも権利行使が可能ですので、通常であれば、権利を行使して普通株式を取得することになるでしょう。
取得した株式は譲渡や企業の上場により換金できる可能性がありますが、未上場株であるため流動性が極めて低い点に注意が必要です。
エメラダ・エクイティの始め方
エメラダ・エクイティの始め方を解説します。
手数料は無料
投資家がエメラダ・エクイティに対して支払う手数料は無く、すべて無料です。
投資を始める方法も簡単で、オンラインで口座開設を行い、自分が魅力的と思う案件へ投資するのみです。
「すべて無料」と聞くと何だか怪しい印象を持たれがちですが、運営するエメラダ社は資金を募集する企業側から手数料を得るビジネスモデルなので、ご安心ください。
最低投資額は14万円から
エメラダ・エクイティでは新株予約権1個あたり7万円という価格設定がされており、投資家は2個・5個・7個のいずれかを選んで投資します。
つまり1案件あたりの最低投資額は14万円(7万円×2個)で、最大49万円まで投資することが可能です。
オンライン口座開設手続き
口座開設手続きはエメラダ・エクイティの公式HPの右上「新規登録(無料)」ボタンから行います。
登録時には個人情報や投資経験など一般的な入力項目に答えるだけですが、以下の3点は事前準備が必要です。
- Eメールアドレス
- 銀行口座情報
- 本人確認書類(運転免許書、パスポート、マイナンバーカードなどいずれか1つ)
HPでの開設手続きを終えるとエメラダ社内で審査が行われ、審査を通過すると「口座開設のお知らせ」が郵送で届きます。
「お知らせ」内に記載された認証コードを入力すると、口座が有効化されます。
投資口座へ入金
口座が有効化されたら、次に投資資金を入金します。
エメラダ・エクイティのマイページ内の「入出金」メニューから入金口座情報を確認して、入金手続きを行いましょう。
入金について1つ注意点をあげると、上でも説明したようにエメラダ・エクイティでは各案件14万円・35万円・49万円から選んで投資する点です。
20万円を入金しても14万円しか投資できませんが、残りの6万円はエメラダの口座上に残り、次の投資案件にそのまま充当することができます。
いくら投資するか事前に判断したうえで入金を行うべきでしょう。
案件を選んで投資実行
有効化された口座に入金を済ませたら、いよいよ案件を選んで投資を行います。
魅力的だと感じる事業や経営者を見つけて、IPOやM&Aの成功を企業と分かちあえるといいですね!
現在募集中の案件(12月21日時点)
最後に現在募集中の案件「ラントリップ(Runtrip)」の概要を簡単にご紹介します。
ラントリップ(Runtrip)の概要
ラントリップはランナー向けのWebサービスやアプリを通じて、ランナーに走る「ロケーション」と「コミュニティ」を提供している企業です。
具体的には以下のような事業を展開しています。
- ランニングアプリ「Runtrip」
- アプリ連動型イベント「Runtrip via」
- Webメディア「Runtrip Magazine」
2020 年に向けて事業をさらに拡大するために、エメラダ・エクイティを通じて3,000 万円の資金調達を行うことを決めました。
Runtrip Foundersの権利
エメラダ・エクイティを通じて投資した人は「Runtrip Founders」に認定され、様々な権利(優待)を得られるようです。
例えば限定Facebookグループへの参加、全国で開催されるイベント「Runtrip via」の招待枠、「Runtrip Store」の商品企画への参画など、ランニング好きに嬉しい特典が用意されている模様です。(詳細は公式HPをご参照ください https://corp.runtrip.jp/founders)
日本のランニング人口は約800~900万人とも言われるほどの一大マーケットですので、成長の余地は十分にあると私は思います。
Runtripの事業や理念を魅力的だと思う方は、投資を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、今回は株式投資型クラウドファンディングのエメラダ・エクイティについてご紹介しました。
それでは!
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