株高の影響で投資信託の売れ行きが好調な一方で、トラブルにあう人も後を経たないそうです。
独立行政法人国民生活センターの集計によると、2016年の投資信託関連トラブルの相談は約1,000件※2にのぼります。
トラブルの内訳は公表されていないものの、海外で組成され販売される投資信託(以下、海外ファンドと言う)は警戒すべきポイントが多く、トラブルになりやすい商品だと言われています。
そこで今回は海外ファンドの基礎知識と、購入時の注意点を解説したいと思います。
※1,国民生活センター相談件数 http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/tousin.html |
海外ファンドとは?
海外ファンドとは、商品の組成や販売が海外で行われる投資信託です。
仕組みは基本的に国内の投資信託と同様で、多数の投資家から資金を集め、投資のプロであるファンドマネージャーが運用を行います。
運用で得た収益が投資家のもとへ還元されますが、うまくいかなければ投資家の損失になります。
単に投資信託の販売元と運用者が海外にあるってだけの違いですが、この違いが投資家にとっては大きな差異が生じ、トラブルの現況となってます。
日本の投資信託と比較した際の海外ファンドのメリットとリスクを見てみましょう。
メリット1, 利回りが高い
海外には日本よりも経済成長率が高い国が多く存在します。
経済性成長率は株式や債券の利回りにも正の相関があるため、海外ファンドの方が利回りが高くなる傾向にあります。
ですから海外ファンドの募集文章には、必ず利回りの高さがアピールされています。
メリット2, 投資商品の種類の豊富さ
海外には日本よりも金融市場のレベルが高い国が多数あります。
アメリカやイギリスはもちろん、アジアではシンガポールや香港が金融先進国としてあげられます。
金融先進国では、日本でお目にかかれない保険や商品などに投資を行うオルタナティブファンド、デリバティブ取引を用いたヘッジファンドといった様々な投資信託が存在します。
投資商品が豊富なため、自分の「投資目的」に合ったファンドを選ぶことが可能です。
メリット3, その他
利回りの高さや商品の豊富さ以外にも、いくつかのメリットがあります。
例えば・・・
- 海外ファンドの方が販売手数料や信託報酬といったコストが安い
- 配当を再投資に充てるファンドが多く、投資効率が良いこと
アメリカ等の金融先進国ではファンド間の競争も激しいため、安くてパフォーマンスの高い商品の提供が求められます。
ここまでは海外ファンドのメリットにスポットを当てて解説してきました。
続いて、海外ファンドのリスクを解説しながらデメリットも見てみましょう。
リスク1, 為替変動リスク
海外ファンドは基本的にドルやユーロなどの外貨建てで購入するため、ファンド本体の評価額の変動に加えて、為替変動もリスクです。
ファンド売却時に購入当初よりも為替レートが円安になっていればプラス、円高になっていればマイナスの影響を受けます。
リスク2, カントリーリスク
カントリーリスクとは、海外ファンドに関わる国の政治的な事柄の影響を受けるリスクを指します。
例えば税制度や金利の変更、戦争、震災などで、ファンドの価値が大きく変動するリスクがあります。
国内ファンドであってもカントリーリスクは存在しますが、投資先に新興国や途上国が含まれる海外ファンドの方が変化は激しく、リスクを被る可能性は高いでしょう。
またカントリーリスクが顕在化することで、投資家が恩恵を受けることもあります。
実際に、南米のペルーが行った税制改正によって、ソーシャルレンディングのクラウドクレジットが恩恵を受けるようなので、一概に怖がってばかりはいられないことも事実です。
参考記事:ペルーで税制の改正がありました |
海外ファンドの購入方法
検討した結果、海外ファンドを購入することを決断した場合、次はどうやって購入すれば良いのか?と疑問に思うでしょう。
海外ファンドの購入方法として、「国内金融機関経由」と「IFA(投資顧問会社)経由」の2つの購入方法があります。
①国内金融機関経由で購入
日本国内の銀行・証券会社から海外ファンドを購入する方法を指します。
この購入方法では、投資家は海外ファンドに直接投資するのではなく、国内の銀行や証券会社が海外ファンドに代理で投資することになります。
同じ銘柄であっても銀行や証券会社ごとに手数料が異なることに注意が必要です。
②IFA経由で購入
日本人はIAFと言われてもピンときませんよね?
IFAとは金融機関に所属せず、独立・中立的な立場で投資家の資産形成のサポートをする金融のスペシャリストです。
またサポートだけでなく、海外ファンド、ヘッジファンドの販売代理店を担うことができるIFAも存在します。
IFA経由でないと購入できないファンドもあるほどなので、海外ではIFAの活用が当然のように受け入れられている模様です。
海外ファンド2つの購入方法を徹底比較!
投資家はどういった基準で海外ファンドの購入方法を選べば良いのか?というと、2つの方法には一長一短あるため、自分で判断するしかありません。
それぞれの特徴を整理しました。
海外ファンドへの投資を検討する方は必見です!
比較1, 購入の手間:「①国内金融機関」が優れている
①国内金融機関で海外ファンドを購入するならば、取引は国内金融機関と行うに過ぎず、指示に従って簡単に手続きを進めることができます。
一方の②IFA経由で購入する場合は、信頼のおけるIFAを探すことと、IFA経由で購入するにしても不慣れな海外の契約に対応することに手間がかかるでしょう。
比較2, 言語の問題:「①国内金融機関」が優れている
①は商品パンフレット、契約書類、電話サポート全てが日本語です。
一方で②IFA経由の場合、日本人がいる、もしくは日本語ができるスタッフがいるIFA自体は数多くあります。
しかし、いざ海外ファンドを購入する時になると契約書は英語となることが多いため、英語力がないと重要なリスクを見逃すリスクがあります。
比較3, 商品多様性:「②IFA経由で購入」が優れている
②は依頼したIFAによっては世界中の投資信託のみならず、不動産や商品なども様々な投資商品も取扱っていることがあり、多様性に優れています。
①は金融機関が取扱う海外ファンドのみとなるため、多様性はありませんし、投資家が望むコストの低い海外ファンドが見つからないかもしれません。
比較4, コストの安さ:「②IFA経由で購入」が優れている
②はIFAの選び方さえ間違わなければ、海外ファンドの販売会社が予め定めた売買手数料や信f託報酬を払うだけであるため、IFA経由で購入する方が優れています。
しかしIFAの中には、別途、一任契約の報酬を請求してくる会社もあり、それを契約してしまうとさらに保有資産の1~2%を毎年支払うことになって割高になるため、注意が必要です。
①は海外ファンドの販売会社への支払いに加え、国内金融機関の定める手数料等も支払うなど2重に費用がかかってくるため、割高となります。
比較5, 税制優遇 :「②IFA経由で購入」が優れている
②IFA経由で海外ファンドを購入する場合の多くが海外に口座を持つことになりますが、投資から得られる利益に対しては口座がある国の税制が適用されます。
例えば香港では売却益や配当に対して税金がかからないため、日本の税制度と比べると大きなアドバンテージとなります。
①は国内に口座を持つため日本の税制が適用され、売却益や配当に税金が課されます。
海外ファンドのまとめ
今回の投稿をまとめると以下の通りです。
【海外ファンドのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
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【海外ファンドの購入方法の特徴比較】
国内金融機関経由で購入 | IFA経由で購入 |
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海外案件専門のソーシャルレンディングも検討してみては?
海外ファンドに対して、利回りの高さや分散投資に魅力を感じているのであれば、海外案件専門のソーシャルレンディングも検討してみてはいかがでしょうか?
日本の投資家からすると未開の地で、且つ高利回りなソーシャルレンディングの海外案件を扱うクラウドクレジットをご紹介します。
クラウドクレジットとは?
クラウドクレジットは貸付型クラウドファンディング(業界ではソーシャルレンディングという)を提供する会社です。
ソーシャルレンディングとは個人や企業へのローンの一種であり、貸し手である個人の投資家と借り手である個人や企業との仲介を行う金融を指します。
クラウドクレジットの特徴は海外案件で高利回り
ソーシャルレンディングを提供する会社は国内に多数ありますが、クラウドクレジットは業界でもユニークな存在感を放っています。
特に・・・
- 融資先が海外に特化している
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いきなり「海外」とか「高利回り」とかいったキーワードが出てくると、
詐欺に合うのでは?危険では?
といった疑念を持たれがちなのも事実ですが、クラウドクレジットは伊藤忠商事やマネックスグループ等の出資を受けるなど業界内・外からの期待値が高く、ちゃんとした会社ではあります。
「投資商品」なわけですから、リスクがあるのは当然で、それは投資家がしっかり判断する必要はあります。
海外投資に興味がある人であれば、検討してみてはいかがでしょうか。
以上、本日はここまで。
利回りの高さや投資商品の豊富さなど魅力いっぱいの海外ファンドですが、国内ファンドにはない注意点も多数あることがお分かりいただけたかと思います。
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