ネットネット株とは、アメリカ人投資家の故・ベンジャミン・グレアム氏が提唱したバリュー投資法です。
毎月一定の条件でスクリーニングした株式銘柄から、ネットネット株に該当する割安株を探索し、投稿しています。
それではネットネット株探しを始めます。
ネットネット株は古典的なバリュー投資の方法ではありますが、現在も多くの人が参考に投資しています。
例えば、ネットネット株投資法を参考にしている有名な日本人投資家で「かぶ1000」さんという人がいて、彼はネットネット株を独自アレンジした手法を使って、元手40万円 → 2億5,000万円にまで増やした著名な投資家です。
そんなすごいネットネット株投資法を使って、私もお宝株を見つけたい!と考えるようになり、毎月この投稿で5銘柄ずつ調査しています。
ネットネット株とは究極のバリュー投資法
まずはネットネット株について簡単におさらいします。
もし何度かこの月例投稿を読んだことがある人で理解できている人は、次の段落へ進んでください。
ネットネット株とは、アメリカ経済学者:ベンジャミン・グレアム氏が提唱した株式選定の手法です。
グレアム氏は「バリュー投資の父」とも呼ばれており、現代の投資の賢人:ウォーレン・バフェットの師匠でもあると言われるほどの偉大な投資家です。
グレアム氏が提唱したネットネット株の条件とは、
”現金等の流動資産から負債総額を引いた額の3分の2が時価総額より多い”
という条件を満たした銘柄を指します。
数式で表すと、
グレアムのネットネット株=(流動資産-総負債)×66.7%>時価総額
この数式が意味することですが、企業の純粋な資産に対して株価が大きく下回っている=割安である、ということです。
株価下落リスクが低く、安全域が大きいとみなすことができます。
かぶ1000さんがアレンジしたネットネット株
先にご紹介した日本の個人投資家「かぶ1000」さんは、グレアム氏のネットネット株をさらに厳しい基準でアレンジした現代版ネットネット株投資法を編み出しました。
現代版アレンジのネットネット株とは、
”在庫評価額を除いた正味流動資産に投資有価証券を加え、貸倒引当金や負債合計を引いた額が時価総額よりも多ければ割安とみなす”
というものです。
このブログでは、グレアム氏ではなく「かぶ1000」さんのアレンジ版ネットネット株投資法に基づき、バリュー株を探しています。
日本株式のネットネット株を探すぞ!
ネットネット株を探す際に、日本株を総当たりで調べるのは非効率なので、ある程度絞り込みを行います。
そこで、わたしが独自に割安株を示す指数を組み合わせ、スクリーニングを掛ける事にしています。
スクリーニングツールとして、楽天証券のマイページにあるスーパースクリーナーという機能を用いました。
スクリーニング条件
PBR:1倍以下
PER:15倍以下
予想配当利回り:2%以上
コンセンサスレーティング※:中立よりも高い
※コンセンサスレーティングとは・・・ブローカーアナリストによる5段階投資診断(5.強気、4.やや強気、3.中立、2.やや弱気、1.弱気)の平均スコア。
スクリーニング結果
上記のスクリーニング条件を使いスーパースクリーナーにかけた結果、44銘柄ほど抽出されました。
配当利回りの高い順に並べて、上位5社についてネットネット株の計算を進めました。
ただし過去の投稿で一度計算した企業は除きます。
電源開発 | 小森コーポレーション | ナカバヤシ | 鴻池運輸 | SPK | |
流動資産 | |||||
現金及び預金 | 107,777 | 40,130 | 7,079 | 26,886 | 4,212 |
受取手形、売掛金及び完成工事未収入金 | 95,534 | 18,395 | 9,579 | 47,806 | 8,416 |
(流動資産の)貸倒引当金 | -26 | -218 | -1 | -54 | -15 |
その他資産 | |||||
投資有価証券 | 0 | 16,952 | 0 | 10,583 | 332 |
(その他資産の)貸倒引当金 | 0 | 0 | 0 | -186 | -21 |
流動負債 | |||||
流動負債合計 | -282,034 | -36,431 | -19,902 | -54,850 | -5,275 |
判定 | |||||
正味流動資産 | -78,749 | 38,828 | -3,245 | 30,185 | 7,649 |
時価総額 | 476,482 | 94,747 | 16,125 | 81,498 | 13,423 |
最終判定 | × | × | × | × | × |
(単位:百万円)
上表のとおりネットネット株の最終判定の結果は全て×となりました!
今回もネットネット株に該当する銘柄は見つかりませんでしたし、「惜しい!」と言えるような企業もありませんね~。
米国大統領選挙でトランプ氏が勝ってから日本株式は全体的に上昇傾向のため、ネットネット株のようなバリュー投資は難しい時期なのかもしれません。
【先月までに計算したため、今回の対象から除外した株式銘柄】
- 日産自動車
- 伊藤忠商事
- 三社電機製作所
- 合同製鉄
- イワキポンプ
- コニカミノルタ
- 住友重機械
- 旭ダイヤモンド工業
- 奥村組
- ワキタ
- フルサト工業
- アイダエンジニア
- 日本電技
- 朝日工業社
- 三井松島産業
- パンチ工業
- インテリックス
- 英和
- ペガサスミシン製造
- ビジネスB太田昭和
- 双日
- 飯田グループHD
- 岡部
- ファルコHD
- 東洋インキSC
- ジェコス
株の高値づかみが怖い人へおすすめ投資商品
ネットネット株はバリュー株ではあるものの、世界的に株価は上がり続けているので割高感が出てきています。
今後も株価は上がると私は予想するものの、もし株を始めるなら下落調整を待って、その後に始めた方が良いだろうと思う気持ちもあります。
そんな高値づかみを不安に思う人に対して、ソーシャルレンディングという投資商品をご紹介します。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングとは、個人投資家が企業や個人へ融資を可能にするプラットフォームです。
融資と言えば金融機関だけが行うものと思われがちですが、ソーシャルレンディングが仲介することでし、個人投資家と融資を求める企業に新たなチャンスが生まれました。
ソーシャルレンディングの利回りは?
ソーシャルレンディング事業者ごと、融資案件ごとに利回りは異なります。
業界平均利回りは8%前後※と言われています。
定期預金であれば、利回りが高い銀行でも0.1~0.2%と言われる世の中で、ソーシャルレンディングの利回りの高さは魅力的で、どんどん投資家の数が伸びています。
株式投資ほどの派手な利回りは出ないものの、選択さえ間違えなければ安定的に平均8%の利回りが出ていると考えると魅力的な投資商品ではないでしょうか。
(※参考:クラウドポート社の調査 https://www.crowdport.jp/statistics)
ソーシャルレンディングのリスク
ソーシャルレンディングは投資商品ですので、もちろんリスクもあります。
特に注意が必要なのは、以下の2点です。
- 融資先企業に貸倒れが出るリスク
- ソーシャルレンディング事業者自体の経営が立ち行かなくなるリスク
投資家は、融資案件の内容やソーシャルレンディング事業者をしっかり分析したうえで投資する必要があります。
代表的なソーシャルレンディング事業者
ソーシャルレンディング事業者は20を超えるとも言われますが、私も実際に投資している代表的な事業者を3つご紹介します。
1つ目のmaneoは業界の老舗であり、実績NO1のソーシャルレンディング事業者です。maneoの活躍は1事業者にとどまらず、GMOクリック証券と業務提携したり、他の事業者にソーシャルレンディングシステムを提供したりと、プラットフォームビジネスにも力を入れています。 公式HP:maneo |
2つ目のクラウドクレジットは、海外事業者への融資に特化したソーシャルレンディングであり、海外ならではの高利回り案件が魅力です。また伊藤忠商事やマネックスグループなどの優良企業から出資を受けるなど、業界内・外からの評判も高い事業者です。 公式HP:ソーシャルレンディングCrowdcredit |
3つ目のOwnersBookは不動産専門のソーシャルレンディング事業者であり、2017年9月には運営会社のロードスターキャピタル社が東証マザーズ市場に上場しました。 公式サイト:OwnersBook |
ソーシャルレンディングは新興の投資商品ではありますが、初期からビジネスをしている会社は5年以上も実績を出していますし、私のような投資経験者も増えてきました。
世界のソーシャルレンディング市場はもっと盛り上がっていて、日本も今後勢いが増していくと見られている業界ですから、投資を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、本日はここまで。
ネットネット株は今回もみつからず、残念!
それでは!
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