わたしも投資実行中のソーシャルレンディング:Crowdcredit(クラウドクレジット)について、以前、返済遅延が出ていることをご紹介しました。
そこでご紹介した内容は、カメルーン中小企業支援1号ファンドで事故が起きた、といった内容でした。
このカメルーン中小企業支援ファンドですが、2号~4号も立て続けに事故になっており、返済遅延が起きることが既に発表されました。
カメルーン中小企業支援ファンドでいったい何が起きているのでしょうか?
クラウドクレジットとは?
クラウドクレジットは海外中心にバリエーション豊かな融資を実行するソーシャルレンディングであり、ペルー、カメルーン、バルト三国、イタリア、北欧など、普通では投資できないようなエリアへの投資を可能にするユニークなサービスです。
伊藤忠商事が出資したことで、業界内でも非常に注目されているソーシャルレンディング業者です。
【クラウドクレジットの事業者評価に関する記事はこちら】 |
わたしもメッセージ性のある案件特徴や高い期待利回りなどを気に入っており、”ペルー債務者ファンド”という案件に投資中です。
そんなクラウドクレジットが2016年12月にあるプレスリリースを行いました。
カメルーン中小企業支援プロジェクトファンド1号の返済遅延の発生です。
カメルーン中小企業支援プロジェクトファンドの返済遅延
(引用:クラウドクレジット社HP)
1号ファンド
先日の投稿で遅延が発生したことをご紹介したファンドです。
本件は11月25日に満額返済予定だったのですが、日本の投資家資金をもとにオバンバ社が融資した4社のカメルーン中小企業のうち1社に返済遅延が生じました。
返済遅延が生じた1社の占有率が融資総額の34.6%を占めるため、出資した資金の約3分の1が期限通りに戻ってこないことになります。
残る3分の1を2017年5月までの回収を目標に、融資先事業を支援することになっているようです。
カメルーン中小企業支援プロジェクトファンドは、各号によって融資先企業が異なるため、1号が遅延しても2~4号ファンドへの影響はないはずでした。
しかし!
直接的影響ではないかもしれませんが、年末・年始にかけてカメルーン中小企業支援プロジェクト2~4号ファンドも立て続けに返済遅延をリリースしました。
しかもその内容は1号よりも酷く、融資先企業の契約違反、詐欺、訴訟といった重大事案に発展しているというのです。
2号ファンド(2016年12月25日時点)
2号ファンドの返済遅延の状況は以下の通りです。
- 予定元本返済額:EUR 329,163.92
- 実現元本返済額:EUR 322,214.35
- 未返済の元本額:EUR 6,949.57
→つまり、元本の約21%が返済遅延です。
逆に言えば元本の8割近くは利息付きで戻っているようで、期待利回り10%ちょっとの案件なので、返済遅延の21%が戻ってこなければ、投資家にとって損失となります。
さらに、この案件は遅延理由がヤバいんです。
融資先企業がオバンバ社と共同管理していた保管所の錠を許可なく取り換え、オバンバ社の管理人が保管財産の確認を行えない状況にしたうえで、トレードファイナンス契約で売却した資産を詐取した疑惑が出ているそうです。
現地警察当局への告訴を行い、法的措置を取ったうえで回収事業を継続されるそうです。
詳細はクラウドクレジット社のリリースをご参照ください。
3号ファンド(2017年1月25日時点)
3号ファンドの返済遅延金額は以下の通りです。
- 予定元本返済額:EUR 677,953.22
- 実現元本返済額:EUR 620,845.22
- 未返済の元本額:EUR 57,108.0
→つまり、元本の約8.4%が返済遅延です。
3号ファンドの遅延は、1・2号と比べるとファンド全体における占有率が低く、案件の期待利回りが12.5%であるため、もしかしたら正常に返済されている元本+利息で投資元本100%分を回収できている可能性がありますね。
ちなみに返済遅延の理由ですが、ファンドが融資したうち2社(紳士靴と不動産)の事業がうまくいかず返済遅延となっており、担保として取っていた資産を売却するのに時間がかかるためとなっています。
詳細はクラウドクレジット社のリリースをご参照ください。
4号ファンド(2017年1月25日時点)
4号ファンドの返済遅延金額は以下の通りです。
- 予定元本返済額:EUR 144,607.42
- 実現元本返済額:EUR 139,827.18
- 未返済の元本額:EUR 4,780.24
→つまり、元本の約3.3%が返済遅延です。
4号ファンドの遅延は、ファンド全体における占有率が低く、案件の期待利回りが12.3%であるため、正常に返済されている方の元本+利息で投資元本100%分は回収できている可能性が高いでしょう。
ちなみにこの案件も遅延理由がヤバいんです。
融資の担保として運搬車両を取っていたのですが、融資先企業の事業を継続するうえで運搬車両が必要であるため、オバンバ社はこの大型トラックに追跡用GPS発信機を装着して所在地確認できるようにしていました。
融資先企業社はオバンバ社の許可なく、当該GPS発信機を車体から取外したうえ、車両ごと逃亡を図ったそうです。
現在、現地警察当局と協力して融資先企業の代表の身柄を拘束する手続きを進めているそうです。
カメルーン人、やること大胆すぎでしょ。。。
詳細はクラウドクレジット社のリリースをご参照ください。
カメルーンファンド遅延状況 まとめ
ファンド名 | 返済遅延がファンド 全体に占める割合 | 返済遅延理由 |
1号ファンド | 34.6% | 決済に使っていた金融機関の問題であり、融資先の事業自体は問題なし |
2号ファンド | 21.0% | 資産の搾取 |
3号ファンド | 8.4% | 事業がうまくいかず |
4号ファンド | 3.3% | 代表者の逃亡 |
カメルーンファンドはスタートからいきなり4連チャンで返済遅延となりました。
しかし遅延してはいるものの、2号ファンド以外は投資家のみなさまが元本より損する最悪の事態は免れるのでは?という風に見えます。
しかし返済遅延理由が、日本ではなかなか見ない文言ばかりなんで、笑っちゃだめだけど笑えますね。(投資家のみなさま、すみません)
クラウドクレジットはカメルーン以外でもチャレンジングな案件が多数あるので、何があっても驚かない心づもりで投資する必要がありそうです。
また今回の返済事案に対して、クラウドクレジット社が徹底的に情報公開する姿勢はとても評価できるものだと個人的には思いました。
以上、本日はここまで。
それでは!
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