月例となりましたネットネット株投資法によるバリュー株探しについて投稿します。
ネットネット株とは、アメリカ人投資家ベンジャミン・グレアム氏が提唱するバリュー投資法です。
ネットネット株は古典的なバリュー投資の方法ではありますが、現在も多くの人が参考に投資しています。
例えば、ネットネット株投資法を参考にしている有名な日本人投資家で「かぶ1000」さんがいます。
かぶ1000さんは、ネットネット株を独自アレンジした手法を使って、40万円の元手を2億5,000万円にまで増やしたとして、ZAIなど様々な雑誌に取り上げられています。
そんなすごい逸話に乗せられ、私も日本株式のなかから「ネットネット株」に合致するお宝株を見つけたい!と考えるようになり、毎月この投稿で5銘柄ずつ調査しています。
それでは、2017年2月のネットネット株探索を開始します!
バリュー投資法:ネットネット株とは
まずはまずはネットネット株について簡単におさらいします。
もし何度かこの月例投稿を読んだことがある人で十分理解している方は、読み飛ばして次の段落へ進んでください。
ネットネット株とは、アメリカ経済学者:ベンジャミン・グレアム氏が提唱した株式銘柄の選別手法です。
グレアム氏は「バリュー投資の父」とも呼ばれており、今や投資の賢人とも言われるウォーレン・バフェットの師匠でもあると言われています。
グレアム氏が提唱したネットネット株の条件とは、
”現金等の流動資産から負債総額を引いた額の3分の2が時価総額より多い”
という条件を満たした銘柄を指します。
数式で表すと、
グレアムのネットネット株=(流動資産-総負債)×66.7%>時価総額
この数式の意図は、企業が所有する純粋な資産に対して株価が大きく下回っている、ということです。
これ以上の株価下落リスクが低く、安全域が大きい銘柄と言えます。
ネットネット株のかぶ1000さんアレンジ
グレアム氏のネットネット株を日本の個人投資家「かぶ1000」さんが、さらに厳しい基準でアレした現代版のネットネット株投資法があります。
現代版にアレンジされたネットネット株の内容とは、
”正味流動資産に在庫評価額を入れずに、有価証券を含んだ額から貸倒引当金や負債合計を引いた額が、時価総額よりも多ければ割安とみなす”
というものです。
このブログでは、グレアム氏ではなく「かぶ1000」さんのアレンジ版ネットネット株投資法に基づき、バリュー株を探したいと思います。
日本株式でのネットネット株を探すぞ!
ネットネット株を探す際に、日本株を総当たりで調べていくわけにはいかないので、ある程度絞り込みが必要です。
そこで、わたしが独自に割安株を示す指数を検索条件を考え、スクリーニングを掛ける事にしています。
株式銘柄のスクリーニングツールとしては、楽天証券のマイページにあるスーパースクリーナーという機能を用いました。
スクリーニング条件
PBR:1倍以下
PER:15倍以下
予想配当利回り:2%以上
コンセンサスレーティング※:中立よりも高い
※コンセンサスレーティング:ブローカーアナリストによる5段階投資診断(5.強気、4.やや強気、3.中立、2.やや弱気、1.弱気)の平均スコア。
スクリーニング結果
上記のスクリーニング条件を使いスーパースクリーナーにかけた結果、36銘柄ほど抽出されました。
配当利回りの高い順に並べて、上位5社についてネットネット株の計算を進めました。
ただし過去の投稿で一度計算した企業は除きます。
飯田グループHLDG | 岡部 | ファルコHLDG | 東洋インキSC HLDG | ジェコス | |
流動資産 | |||||
現金及び預金 | 217,083 | 22,694 | 6,691 | 42,627 | 2,032 |
受取手形、売掛金及び完成工事未収入金 | 29,025 | 20,048 | 6,400 | 89,121 | 39,089 |
(流動資産の)貸倒引当金 | 0 | -25 | -20 | -989 | -353 |
その他資産 | |||||
投資有価証券 | 0 | 8,581 | 4,619 | 69,739 | 3,726 |
(その他資産の)貸倒引当金 | 0 | -154 | -17 | -282 | -169 |
流動負債 | |||||
流動負債合計 | -372,595 | -17,573 | -10,122 | -100,741 | -40,860 |
判定 | |||||
正味流動資産 | -126,487 | 33,571 | 7,551 | 99,475 | 3,465 |
時価総額 | 536,160 | 54,221 | 16,807 | 170,953 | 41,537 |
最終判定 | × | × | × | × | × |
(単位:百万円)
【先月までに計算したため、今回の対象から除外した株式銘柄】
- 日産自動車
- 伊藤忠商事
- 三社電機製作所
- 合同製鉄
- イワキポンプ
- コニカミノルタ
- 住友重機械
- 旭ダイヤモンド工業
- 奥村組
- ワキタ
- フルサト工業
- アイダエンジニア
- 日本電技
- 朝日工業社
- 三井松島産業
- パンチ工業
- インテリックス
- 英和
- ペガサスミシン製造
- ビジネスB太田昭和
- 双日
上表のとおり全ての最終判定結果=×となりましたので、今回もネットネット株に該当する銘柄は見つかりませんでした。
今回は「惜しい!」と言えるような企業はありませんね~。
スクリーニングした時も36銘柄と前回に比べて15銘柄ほど減っているので、日本の株式価格が全体的に上がっているのかなと思いました。
以上、本日はここまで。
今回もネットネット株はみつかりませんでした、残念!
それでは!
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