前回の投稿では、個人型の確定拠出年金(iDeCo)の金融機関を選ぶうえで大切なポイントを説明し、SBI証券と楽天証券がおすすめであることを書きました。
今回の投稿では、従来の金融機関とは一味違ったiDeCo専門の運営管理会社をご紹介したいと思います。
MYDCというベンチャー企業です。
MYDCとは?
(画像引用:MYDCのHP https://mydc.life)
MYDCは個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理会社として、2016年に設立されました。
出資元は、フィンテックベンチャーのお金のデザイン社、福利厚生サービスを提供するベネフィット・ワン社、そして伊藤忠商事による共同出資となります。
お金のデザイン社は、独自開発のロボアドバイザーサービス:THEOによってテクノロジーを活用して一人ひとりに最適な資産運用サービスを提供することができます。
ベネフィット・ワン社は、福利厚生代行の主な顧客である企業・公務団体などの顧客ネットワークがあります。
投資テクノロジーと顧客ネットワークといった両社のリソースをフル活用することで、iDeCoの特需を取り込もうというものです。
MYDCの特徴
MYDCにはiDeCoを取扱う他の金融機関と比べて、2つの特徴があります。
1.申込みが簡単
10分で申し込めるiDeCo、それがMYDC
(MYDCのホームページより)
MYDCによるiDeCoの申し込みはインターネットから簡単に行うことができ、しかも10分という短時間で完了するそうです。
複雑で多くの項目から構成される申込書は必要ないということですね。
2.商品選びが簡単
iDeCoの資産は投資商品で運用されることになりますが、iDeCoを始めたい人で投資の知識がない人にとっては、この商品選択が大きなハードルになります。
前回の投稿でご紹介したおすすめ3つの金融機関は28~47本もの運用商品をそろえており、何を選んでいいのか分からない人も多数いるでしょう。
MYDCであれば人口知能による投資サービス:THEOが商品選択をサポートするため、ユーザーがすることはたった2つの質問に答えるだけ。
安定志向の人に対しては債券を中心に定期預金などが組み込まれた運用、積極的にお金を増やしたい人には株式を多く含む投資信託を中心とした積極運用など、ユーザーの嗜好に合わせたiDeCo向け運用商品をTHEOが提案してくれるそうです。
(運用にこだわりがある人は自分でカスタマイズも可能)
MYDCの運用商品
MYDCは3つの投資信託と元本保証の定期預金の4商品をiDeCo向けに提供しています。
ロボアドバイザーサービス:THEOが提供するファンドで運用するか、イオン銀行の定期預金で元本を守るか、運用方法を自在に選択できる仕組みになっています。
詳細を見てみましょう。
THEOグロース・ファンド
株式を中心とするETFへ投資するファンドです。
世界の経済成長に沿った収益の獲得を目指す商品設計となっています。
THEOインカム・ファンド
債券を中心とするETFへ投資するファンドです。
国債・社債・ハイイールド債など世界各国の金利水準を享受しつつ、安定的なリターンを目指す商品設計となっています。
THEOリアルアセット・ファンド
世界の実物資産を中心とするETFへ投資するファンドです。
不動産だけでなく、インフラ・エネルギー・農産物・貴金属・工業用金属・インフレ連動債等が投資対象です。
定期預金
イオン銀行の5年満期の自動継続定期預金です。
唯一元本を下回ることがない運用商品です。
MYDCの手数料や管理費用
前回の投稿でもご説明した通り、金融機関を選ぶ上で大切なポイントは初期費用と管理費用です。
MYDCの初期費用と管理費用について、それぞれ見てみましょう。
初期費用
MYDCを開設する際の初期費用は2,777円です。
この金額はSBI証券や楽天証券と同じく業界最安値となります。
2,777円が意味するのは、最安値というよりも金融機関にかかる初期費用は0であり、国民年金基金に支払う費用としての支払いとなります。
月額管理費用
MYDCの月額管理費用として458円(税込み)が必要となります。
国民年金基金と事務委託として167円が固定でかかるので、実質MYDCに支払っているのは458円-167円=291円です。
SBI証券と楽天証券は月額管理費用が167円であるため、MYDCは月額管理費用において2つのネット証券に劣ると言えるでしょう。
仮にiDeCoで25年間運用するとなると、291円×12カ月×25年=87,300円と意外にバカにできない金額となります。
信託報酬費用
MYDCの信託報酬はどの商品も一律 0.432%とシンプルな体系です。
しかしSBI証券や楽天証券の運用商品の信託報酬が0.13%~0.30%だったことを考慮すると、信託報酬費用でもMYDCは2つのネット証券に劣ると言えるでしょう。
例えば平均運用資産額が300万円で25年間ほど運用したと仮定すると、0.2%の信託報酬の差があれば25年間で45万円もの差が出てきます。
MYDCの信託報酬は割と高いと思っておいた方がいいでしょう。
以上、MYDCに必要な費用をまとめると下表の通りで、管理費用がSBI証券や楽天証券よりも高くなっています。
初期費用 | 管理費用 | |
口座管理費用 | 信託報酬 | |
2,777円 | 458円(月間) | 運用資産×0.432%(年間) |
MYDCの始め方
まずMYDCでiDeCoを始めるか検討にあたり、MYDCに用意されたシミュレーション機能を使って将来の受取額と毎年の節税メリットを確認することができます。
iDeCo申し込みを希望する場合は、そのままアカウントを作成し、専用サイトから住所氏名や年金番号などの必要情報を入力するだけ。
その後MYDCから書類が送られてくるので、銀行印を押すなど必要な手続きをした後、返送すれば申し込みは完了します。
毎月26日に積立金が引き落とされ始めたら、iDeCoの運用スタートです!
MYDCのシミュレーションをやってみた
最後にMYDCでiDeCoのシミュレーションをしてみたのでご紹介します。
MYDCのホームページ(https://mydc.life/)から「メリットを体験」ボタンを押すとシミュレーションがスタートします。
以下の項目を選ぶと、あっと言う間にiDeCoを利用した場合の税金メリット、将来の年金受取額が算出されました!
- 年齢
- 年収
- 国民年金の被保険者種別
(画像引用:MYDCのHP https://mydc.life)
↑毎月23,000円の積み立てで、毎年8.2万円の節税になるらしいです。
(画像引用:MYDCのHP https://mydc.life)
↑35歳の私が毎月23,000円積み立てていれば、1,000万円超も受け取れる可能性があるそうです!
iDeCoの節税効果とか将来の積立額とか、自分で計算しようとすると複雑で挫折しがちなので、MYDCの無料シミュレーションだけやってみてはいかがでょうか。
以上、本日はここまで。
ロボアドバイザーはついに年金絵エリアにまで進出してきました。
昨年、THEOがやっとサービス開始されたばかりなのに、すごいスピードで成長・サービス拡張させていて、本当に感心させられます。
それでは!
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