デジタルクーポン債|利回り・リスクを検証した結果、ハイリスク金融商品だったことが判明!

株式

前回の投稿では、デジタルクーポン債券(EB債)についてご紹介しました。

期待利回り10%超の商品も珍しくないほど高利回りな金融商品である一方で、ノックイン判定された場合に大幅な元本割れをしてしまうリスクも伴う商品です。

今回の投稿では、現在、実際に販売されているデジタルクーポン債を取り上げつつ、その商品が本当に魅力的なのか、それとも危険度が高いのか検証してみたいと思います。

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現在販売中のデジタルクーポン債

デジタルクーポン債でググってみると、Googleの1ページ目に表示された中で唯一販売中だったのがSBI証券の商品でした。

SBI証券の以下5商品のうち3つを取り上げて検証することにしました。

  • EB債(デジタルクーポン/ヤマハ発動機)
  • EB債(ディー・エヌ・エー)
  • EB債(デジタルクーポン/マツダ)
  • EB債(デジタルクーポン/日経平均レバレッジETF)
  • EB債(デジタルクーポン/LINE)

※EB債=デジタルクーポン債

SBI証券のデジタルクーポン債 3商品の概要

社名運用期間利払い
判定水準
利払い
(高)
利払い
(低)
早期償還
判定水準
ノックイン
判定水準
デジタルクーポン/
ヤマハ発動機
1.5年当初価格×
85%
年利9%年利0.5%当初価格×
105%
当初価格×
70%
デジタルクーポン/
マツダ
1.5年当初価格×
85%
年利10%年利0.5%当初価格×
105%
当初価格×
70%
デジタルクーポン/
ディー・エヌ・エー
0.5年年利11%当初価格×
85%
当初価格×
85%

各商品の概要は上表の通りです。

ヤマハ発動機とマツダは似た商品で、運用期間1.5年のうち高い利払いが支払われる株価水準が当初×85%、ノックイン判定水準は当初×70%まで株価が下落した時です。

一方でディー・エヌ・エーは少し癖があって、運用期間は半年と短く利払いも一律11%となっているのですが、ノックイン判定水準が当初×85%まで株価が下落した時とかなり厳しい裁定になっています。

それでは各商品について過去の株価をもとにリスク検証をしてみましょう。

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デジタルクーポン債のリスク検証

過去の株価2014年1月1日~2016年11月24日を使ってリスク検証をしてみました。

過去の特定日(例えば2014年1月1日)にデジタルクーポン債が発行されたと仮定して、運用期間中に償還時元本割れリスクが高まるノックイン判定に株価がタッチするかどうかを検証しました。

デジタルクーポン/ヤマハ発動機のリスク

 

発行日は1.5年の運用期間が取れることを前提に、2014年1月1日~2015年5月22日までの338営業日で検証したところ、以下の結果になりました。

  • 営業日:338
  • ノックイン判定に達する:127
  • ノックイン判定に達しない:227

要するに発行日が338回あったとして、127回は大きく元本割れするリスクを背負うかどうか?ということです。

デジタルクーポン/マツダのリスク検証

発行日は1.5年の運用期間が取れることを前提に、2014年1月1日~2015年5月22日までの338営業日で検証したところ、以下の結果になりました。

  • 営業日:338
  • ノックイン判定に達する:189
  • ノックイン判定に達しない:149

要するに発行日が338回あったとして、189回は大きく元本割れするリスクを背負うかどうか?ということです。

デジタルクーポン/ディー・エヌ・エーのリスク検証

発行日は半年の運用期間が取れることを前提に、2014年1月1日~2016年5月22日までの584営業日で検証したところ、以下の結果になりました。

  • 営業日:584
  • ノックイン判定に達する:277
  • ノックイン判定に達しない:307

要するに発行日が584回あったとして、277回は大きく元本割れするリスクを背負うかどうか?ということです。

リスク検証の総評

社名ノックイン
比率
デジタルクーポン/
ヤマハ発動機
37.6%
デジタルクーポン/
マツダ
55.9%
デジタルクーポン/
ディー・エヌ・エー
47.4%

過去の株価で検証した結果、元本割れリスクが高まるノックインに達する比率は上表の通りです。

判断はみなさま次第だと思いますが、少なくともハイリスク商品と呼ぶに相応しい結果だと思います。


以上、本日はここまで。

デジタルクーポン債を過去データで検証したところ、かなり博打要素が高いことが分かりました。

私が投資判断するなら・・・う~んって感じです。

それでは!

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