アベノミクス相場の失敗や終焉が様々なメディアを通じて話題となり、日経平均株価が15,000円~17,000円あたりをフラフラするなか、世界最大の経済大国アメリカはというと、ダウ平均株価が史上最高値を更新するなど、非常に力強い印象を世界にアピールし続けています。
アメリカは2008年のサブプライムローン問題・リーマンショックの震源地だったにも関わらず、そこからの立ち直りも先進国では最速レベルでした。
こんなに米国株が上昇を続けるなら、いっそ優良米国株に投資して塩漬けしたおけばいいじゃん!なんて気も起きてきます。
そこで、何回かの投稿に分けて米国株について調査してみたいと思います。
まず今回は第一回目の投稿として、米国株が好調である理由の要因分析と、今後の米国株の見通しについて書きたいと思います。
米国株価の推移
(図の引用:Yahooファイナンス)
上図は直近10年のダウ平均株価の推移です。
スタート地点の2007年はずっと上昇を続けていた株価が、2008年から2009年にかけて米国が震源地となったサブプライムローン問題・リーマンショックの影響で、おおよそ半分の株価まで下落してしまいました。
しかし、ここから米国株はリベンジを果たすかのごとく快進撃が始まります。
上図の通り、2009年からは継続的に上昇の一途をたどっています。
途中には2011年のユーロ・ギリシャショックや2015年のチャイナショックなど、株価が大きく下落する出来事は何度も起きています。
それでも米国株は一時的な下落にとどまり上昇を続けた結果、金融危機からの回復どころか一気に突き抜けてしまいます。リーマンショック前のダウ平均株価が14,000円台だったのに2016年9月現在は18,000円台ということで、米国株の史上最高値の水域に達しています。
米国株の高さについて。金融緩和などの財政施策が株価をつり上げているという批判もありますが、私は競争力のあるアメリカ経済の表れであると理解しています。
下図の通りGDPの各国推移を見れば一目瞭然で、米国の成長は先進国でも群を抜いています。
つまり経済の強さに裏打ちされた株価の高さであるということです。
(図の引用:EMERGO)
米国株の好調の要因分析
上記の通り米国株の高さは、GDP上昇=経済成長 → 株価の上昇という好循環になっていると思うのですが、多くの先進国が低成長に甘んじるなか、なぜここまで経済成長を続けることができるのでしょうか。
いくつか要因をあげてみます。
時価総額ランキングを総ナメする企業
上場企業の規模や信用力を表す時価総額ランキングを見ると、下表の通りトップ10は全て米国企業で制されている状況です。
12位になってやっと香港(中国)のチャイナモバイルが登場するくらいです。
ちなみに日本は29位に登場するトヨタ自動車が最上位です。
(2016年8月時点の時価総額の世界ランキング)
順位 | 企業名 | 時価総額 ($10億) | 国 |
1 | アップル | 571.7 | アメリカ |
2 | アルファベット | 542.8 | アメリカ |
3 | マイクロソフト | 447.8 | アメリカ |
4 | amazon | 364.6 | アメリカ |
5 | フェイスブック | 362.2 | アメリカ |
6 | エクソン・モービル | 361.3 | アメリカ |
7 | ジョンソン&ジョンソン | 326.5 | アメリカ |
8 | バークシャー・ハザウェイ | 289.7 | アメリカ |
9 | ジェネラル・エレクトリック | 278.0 | アメリカ |
10 | ウェルズ・ファーゴ | 256.3 | アメリカ |
先進国で稀な若者が多い人口構成
国家経済が豊かになると、一般的には晩婚化と少子化が進行してしまい、結果的に高齢化社会になりやすいと言われています。日本はその最たる例でしょう。
しかし米国の人口構成を見ると、まるで新興国かと見間違うほど若者が人口構成の中心を成しており、働き手が豊富な社会となっています。
下図の通り、アメリカと日本の人口構成図を比較すれば、その差の大きさを改めて認識させられます。
↓米国は54歳までほぼフラットな人口構成で、高齢になるほど減る
↓日本は35歳~39歳より下の人口層が薄く65歳以上が分厚い
先端産業でもトップを走る先進性
米国の産業と言えば何が思い浮かびますか?
アップルやマイクロソフトを代表としたIT企業、GEやIBMなどのエンタープライズテクノロジー企業、ジョンソン&ジョンソンなどのヘルスケア、コカ・コーラなどの飲料メーカー、、、
あらゆる産業で誰もが知っている企業が並び、世界のトップシェアを誇ります。
それが過去の栄光にすがることなく、医療・ヘルスケア・テクノロジーといった最先端の分野まで先進的に突っ走っているのです。
また最近のシェールガス革命によって、エネルギー分野にまで覇権を伸ばしつつあり、従来、原油産業で富をなした国家や企業が戦々恐々としている状態です。
米国株の今後の展望
米国株の今後の展望について詳細分析を知りたい方は、今年6月の投稿で書いた内容をご参照ください。
概要を書くと以下の通りです。
2015年以降、米国株価はもみ合い相場で上下動を繰り返してます。
リーマンショックからの回復時期以降、順調に推移していた経済指標ですが、金利や労働に関する指標には懸念が出始めています。
一方でテクニカル分析をした結果、まだ上昇トレンドにあることを示唆しています。
以上より導き出される結論は、米国株価はまだ上昇の余地は残すものの、トレンド転換となる出来事が起きる可能性を注視する必要があるといったものでしょうか。
テクニカル分析の結果はまだ上昇トレンドにあって、金利や労働の指標に注意が必要という分析結果でした。
この予想通り、6月以降も米国株は上昇を続け、8月から史上最高値の18,000円台をつけるようになったわけです。
以上、本日はここまで!
こうやって客観的に分析すると、アメリカ経済って本当に強いですね。
妬みもあってアメリカの好業績はあまり嬉しくないのですが、私の手元にあるITデバイスも、普段使っているソフトウェアも、ほとんどアメリカ発のものを使っているのは事実で、つまりは私自身もアメリカ産業の強さを認めているわけですね。
残念ですがこれが事実なわけで、投資家ならば客観的な行動をとるべき、すなわち米国への投資ポートフォリオを高める必要性を改めて感じました。
それでは!
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