JPX日経インデックス400|2016年度JPX400への採用・除外銘柄と株価の関係

インデックスファンド

週刊東洋経済という経済誌を読んでいたところ、JPX日経インデックス400というインデックス投信が採用する400銘柄が年に1回見直しされており、新たに採用される銘柄は株価が上がるといった記事がありました。

2016年度の400銘柄の見直しは既に8月5日に発表済みではあるのですが、もし東洋経済が書いている通りJPX400採用銘柄の株価が上がるのであれば、来年時期がきたらJPX400新採用の有力株を買っておけばいいじゃないか!!と誰しも思いますよね。

私もそう思った一人です。

そこでJPX400に関して詳しく調べるとともに、新規採用銘柄が本当に株価を上昇させているのか調査することにしました。

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JPX日経インデックス400とは

まずは基礎知識から整理してみます。

JPX400とは、東証1部、2部、ジャスダック、マザーズから厳格な選定基準を抜けて選ばれた400銘柄から構成される指数です。

採用は上場から3年以上が経つ企業が対象となっています。

以前は時価総額やROEといった指標ベースの選定だったので採用銘柄を予想しやすかったそうです。

しかし最近では、「より開かれた企業姿勢を取っている」などの定性的な判断も含まれるようになってきており、サプライズ採用なんてこともあるようです。

400の銘柄は不変ではなく、毎年8月上旬に入れ替えが行われます。

入れ替え銘柄が発表された後、8月31日に前日の終値をもとに新たな銘柄を含めて算出が開始されることになっています。(31日が休日の時には月内の最終営業日)

JPX400と採用銘柄の株価の関係

JPX400に採用されれば株価は上がると一般的に言われています。

インデックスをベンチマークとする機関投資家の買いにつながりやすく、証券市場からの注目度が高まるためです。

つまり一般の投資家もJPX400への採用・除外を判断材料として、売買をするだろうというのが定説であり、新規採用銘柄の株価は上がると推測されています。

2016年 JPX400へ新たに採用された株式銘柄

それでは2016年度8月にJPX400に新規採用が発表された銘柄の動向はどうだったでしょうか?

2016年の新規採用は34銘柄で、8月5日JPX400採用の発表後の最初の終値を下表の通りまとめました。

なるほど34銘柄中で21銘柄が上昇、13銘柄が下降という結果になりました。株価が上がった銘柄の方が多いといえば多いのですが、jpx400採用=確実に株価上昇というレベルではないようにも見えます。

【JPX400新規採用銘柄(騰落率の昇順)】

順位企業名前日比 騰落率8月8日終値
1東京TYFグループ13.12%3,070
2東急建設11.60%1,106
3竹内製作所10.47%1,445
4島津製作所7.49%1,564
5ルネサスエレクトロ6.25%646
6オリエントコーポ5.95%196
7日本航空4.97%3,138
8九州Fグループ4.63%587
9SCREENHLD4.32%1,232
10エレコム3.97%2,228
11前田道路3.79%1,917
12日本水産3.75%470
13FPG3.63%914
14住友大阪セメント2.15%476
15コロプラ1.72%1,711
16日信工業1.64%1,487
17阪和興業1.43%566
18ダイフク1.26%2,006
19いちごグループHD0.73%416
20三菱ガス化学0.48%623
21DMG森精機0.38%1,043
22クリエイトSDHD-0.13%2,354
23熊谷組-0.64%310
24朝日インテック-0.67%4,455
25東邦ガス-0.68%874
26東北電力-1.36%1,229
27ぐるなび-1.49%2,772
28中部電力-1.62%1,366
29江崎グリコ-2.57%5,680
30九電工-2.90%3,345
31ディップ-2.94%2,805
32クスリのアオキ-3.27%4,885
33全国保証-5.13%3,880
34ノジマ-6.02%1,359

2016年 JPX400から除外された株式銘柄

次にJPX400から除外された株式銘柄を見てみます。

除外は33銘柄あるのですが、うち5銘柄が株価下降、28銘柄が上昇という結果になり、意外と株価が下がった銘柄が無いことに気が付きます。

個別に見ればワコムなんて-17%と非常に大きな下げが出ていますが、ちょうど同じタイミングで業績下方修正を発表しているので、個別事情による下げであると判断できます。

【JPX400新規採用銘柄(騰落率の降順)】

順位企業名前日比 騰落率8月8日終値
1ワコム-17.18%352
2AOKIHLD-7.05%1055
3みらかHLD-3.28%5020
4昭和シェル石油-0.46%866
5持田製薬-0.27%7470
6ミサワホーム0.68%743
7セガサミーHLD0.68%1298
8エイベックスGHD1.06%1329
9アコム1.10%458
10クレディセゾン1.33%1682
11三菱自動車1.49%477
12アンリツ1.60%570
13ロート製薬1.75%1741
14フジメディアHLD1.90%1235
15伊予銀行1.91%640
16ベネッセHLD2.16%2464
17アサヒHLD2.52%1750
18千代田化工建設3.06%742
19常陽銀行3.36%400
20近鉄エクスプレス3.47%1461
21三井造船3.60%144
22東海理化3.62%1974
23西日本シティ銀行3.92%212
24三越伊勢丹HLD4.03%982
25トヨタ紡織4.05%2284
26ユニプレス5.04%1731
27京葉銀行5.25%421
28三井金属5.41%195
29エクセディ5.43%2425
30ユニバーサルエンタ5.98%2713
31日本精機6.79%1793
32十六銀行7.46%288
33日本合成化学工業16.53%705

JPX400への採用・除外と株価の関係 まとめ

比較項目新採用銘柄除外銘柄
前日比(+)比率61.76%84.85%
平均騰落率1.89%2.33%

2016年度のJPX400新規採用・除外と株価の関係をまとめると上表の通りです。

発表前より株価を上昇させた銘柄の比率、及び平均の株価騰落率のどちらもJPX400除外銘柄の方が優れていたことが分かります。

つまり除外銘柄の方が株価パフォーマンスが良かった!ということで、定説を覆す結果となっています。

補足ですが、全体的に前日比で(+)となっていた銘柄が多いかというと、8月8日の東京株式市場は前週末に発表された7月の米雇用統計が事前の予想よりも強かったことを好感して396円高の1万6650円で取引を終えたことも影響しているようです。

どういう株式市況であれ、JPX400新規採用銘柄と除外銘柄で比較して上表の通りなので、JPX400新規採用=株価が上がる!って説は、あてにならないなというのが私の正直な感想です。


以上、本日はここまで。

今回の調査を通じて、定説と言われていたことが数字で事実を突き止めると意外に違うもんだなと気づかされました。

今後も自分自身の手足を動かして事実を突き止めたうえで投資していきたいです。

それでは!

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