毎月上旬に行っている相場予想シリーズ。
前回投稿の日経平均株価予想に続いて、FXの相場予想を行います。
前回の投稿では、6月下旬に起きた英国のEU離脱:Brexitの話題で持ちきりでした。
特に世界的な経済不安への懸念から、安全資産と目される日本の「円」が買われて円高が急進行。その結果、105円あたりをフラフラしていたドル円相場も、一気に99円台前半まで円高が急伸しました。
7月以降の外国為替市場はどのように動いたのか?そして今後の相場はどのように動いていくでしょうか?
円高トレンドが続くのか、それとも円安に転換していくのか?
それではFX外国為替市場の予測を始めます。
予想対象の通貨ペアを再確認
無数の外国為替通貨ペアがある中で、私の月例報告では通貨ペアを3つに絞って予想を行っています。
通過ペアの選定ポイントはというと
1,日本から見てFXのメジャーな通貨ペアを予想すること
2,FXから世界経済の状況をうらなうこと
この2点を重要視して、米ドル・円・豪ドルの3通貨を対象としました。
FXの通貨ペアで表現すると、以下の通りです。
USD/JPY(米ドル/円)
AUD/JPY(豪ドル/円)
AUD/USD(豪ドル/米ドル)
※もし「この通貨ペアの分析をやってほしい!」という要望があればお気軽にご連絡ください。可能な範囲で対応しようと思います。(連絡はこの投稿へのコメント投稿で結構です)
USD/JPY 米ドル/円チャート
(楽天証券のトレーディングステーション(旧FXCM社)を使用)
上図はドル・円(USD/JPY)の月足チャートによるテクニカル分析です。月足に設定し、中長期の相場の流れを分析しています。
テクニカル指標として使っているのは、上段:ローソク足、下段:MACDです。
上段:ローソク足
2016年2月に大きな陰線を作り、その後は下落トレンドまっしぐらという感じです。
2016年初旬は1ドル120円あたりでしたが、8月8日現在でドル円は100円~105円をフラフラしており、わずか半年で15円以上も円高が進んでしまいました。
下段:MACD
MACDは実際のドル円相場よりも一足早い2015年9月に動きを見せていました。
2015年9月に赤色の短期線が青色の長期戦を上から下へ突き抜けるいわゆる「デッドクロス」が生じ、円高へのトレンド転換を示唆するシグナルが生じました。
2015年9月以降、ドル円は円高傾向が続いており、2016年8月においても円高基調に変化は見られません。今、円安の動きを狙ってドル円のロングポジションを持つことは、自殺行為に等しいと私は見ています。
7月も100円~105円でもみ合っていますが、いずれ100円台も下抜けて、次のサポートライン(緑色ライン):95円~96円円前半をチャレンジする局面が出てくると予想します。
ちなみに上値の目途であるレジスタンスライン(黄色ライン)は105円50銭あたりにあると見ています。(前回予想より若干高く修正しました)
AUD/JPY 豪ドル/円チャート
(FXCMのトレーディングステーションを使用)
AUD/JPYの月足チャートです。
上段:ローソク足
AUD/JPYは2014年12月あたりから超長期な下落トレンドに入ってました。
その結果、2014年12月に1豪ドル100円だったのが、2016年8月には80円台を割って70円台に突入しました。
ファンダメンタルズ的な変化としては、8月にオーストラリア中央銀行(RBA)が政策金利を0.25%引き下げることを発表しました。その結果、オーストラリア政策金利は1.5%と過去最低レベルに到達しています。
豪ドルにしては低金利が続いていることが円高へ進む大きな要因と考えられます。
下段:MACD
こちらもUSD/JPY同様にMACDの「デッドクロス」が2014年12月に生じ、そこから下落トレンドが続いている状況です。
一方でUSD/JPYよりもAUD/JPYの方がMACDデッドクロスの角度が緩やかなため、それに合わせるかのようにダラダラとした円高進行が続いている状況です。
現状はもみ合い相場になっています。
上図の通り、上値の目途:サポートライン(黄色ライン)は82円付近、下値の目途:サポートライン(青色ライン)は73円付近にあります。
よって、しばらくは73円~82円の揉み合い相場が続くかもしれませんが、確実に下落圧力が強いので、サポートラインの73円をブレイクして次のステージに進むかもしれません。
もし73円をはっきり下抜ければ、次の橙色サポートライン:65円、さらに65円を割れれば次の紫色サポートライン:55円が見えてきます。
参考までに直近で紫色まで進んだのは、リーマンショックが起きた2008年10月でした。
AUD/USD 豪ドル/米ドルチャート
最後にAUD/USDの月足チャートです。
上段:ローソク足
AUD/USDは2016年1月あたりで底値をつけた可能性が高いと見ており、今後は上昇相場に移行すると思われます。
ローソク足チャートの中に「W」文字の線を入れてますが、これはテクニカル分析において「Wボトム」と言われており、相場のトレンドが上昇に転じる時に出るサインです。
現在のAUD/USDチャートはW文字の底辺2回で下値をしっかり確認し、上昇へと転じる動きのように私には見えます。
下段:MACD
AUD/USDのMACDチャートはUSD/JPYとは逆で、2016年2月頃に赤色の短期線が青色の長期戦を下から上へ突き抜ける「ゴールデンクロス」が生じています。ゴールデンクロスは、相場トレンドが上昇に転換するサインです。
ローソク足チャートで「Wボトム」、MACDのゴールデンクロスとの組み合わせを考慮すると、AUD/USDは典型的な上昇トレンドの始まりのように見えます。
総括!FX、外国為替相場の予測
米ドル/円(USD/JPY) ↓下落
豪ドル/円(AUD/JPY) ↓下落
豪ドル/米ドル(AUD/USD) ↑上昇
※先月と変更なし
このFX、外国為替相場から世界経済をうらなうならば、AUD/USDが上昇の兆候を見せているため、円高は進むものの、世界の相場はリスク選好にあるようです。
最近、円高進行=日本株式の下落という流れがだけ強いので、世界的には株高なのに日経平均株価だけ一人負け・・・なんて最悪な事象も起きるかも?
以上、本日はここまで。
それでは!
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