日銀によるマイナス金利導入以降、国内金融機関による貸し出しの低金利化がますます進んでいます。
長年、日本の金利は超低金利であったにも関わらず、さらなる低金利施策によって固定金利でさえ1%台が当たり前の時代です。
私たちが生活するなかで低金利の影響が最も大きいものとして、住宅ローンがあがられると思います。
そこで今回の投稿では、マイナス金利時代の住宅ローンの正しい選び方について調査してみたいと思います。
住宅ローンの表面金利と実質金利
住宅ローンは従来の金融機関に留まらず、ネット銀行や小売店の銀行からも相次いで参入してきており、競争がますます激化してきています。
そんな中、固定金利35年(フラット35)の住宅ローンでさえ1%を切る商品が登場してきており、もはや固定金利と変動金利との金利差がほとんどなくなってきています。
それなら1%を切る固定金利の住宅ローンを使おう!と思う人がいるかもしれませんが、そのような安易な判断をされないことをおススメします。
実は単純な金利だけで住宅ローンを判断するのは、トータルコストで見ると間違いである可能性があるため注意が必要だからです。
表面金利と実質金利
住宅ローンの世界には表面金利と実質金利があります。不動産投資における表面利回りと実質利回りのようなもので、本当にお得かどうかを判断するには実質金利を知る必要があります。
一方で銀行が宣伝に使う店頭表示金利は表面金利に過ぎず、借り手にとってのトータルコストを表すものではありません。
実質金利とは
トータルコストを示す実質金利を求めるためには、借入に必要な「諸費用」を考慮に入れる必要があります。
住宅ローンの諸費用とは、主に事務手数料、保証料、団体信用生命保険などにかかる費用を指します。つまり表面金利がどれだけ低くても、これら諸費用が高かったら借り手のトータルコストは高くなってしまうのです。
35年固定住宅ローン「実質金利」ランキング
それでは真に低金利の住宅ローンを提供している金融機関はどこか?
諸費用を加味した実質金利でランキング表を作成しました。
<前提条件>
借入額:3,000万円
借入期間:35年
金融機関名 | 実質金利 | 表面金利 | 保証料 | 事務手数料 | その他 |
ソニー銀行 | 1.013% | 1.004% | 0円 | 4.32万円 | |
三菱東京UFJ銀行 | 1.133% | 1.000% | 借入額×2.06% | 3.24万円 | |
三菱UFJ信託銀行 | 1.204% | 1.070% | 借入額×2.06% | 3.24万円 | |
住信SBIネット銀行 | 1.284% | 1.150% | 0円 | 借入額×2.06% | |
優良住宅ローン | 1.340% | 0.930% | 0円 | 借入額×0.66% | 団信保険料を追加 |
ソニー銀行の全期間固定の住宅ローンは表面金利1.004%という金利の低さに加え、保証料が無料、手数料が4.32万円と諸費用の安さがダントツです。
第二位は三菱東京UFJ銀行!
なんとメガバンクが2位に登場という意外な結果になりました。三菱UFJの住宅ローンを選べば、メガバンクの安心感と低金利という美味しいところ取りができますね。
その後、三菱UFJ信託銀行と住信SBIネット銀行が続き、第5位に注目してみてください。
第5位は住宅金融支援機構が運営する優良住宅ローンです。
優良住宅ローンは店頭金利:0.930%と業界最低水準の金利です。そして保証料が0円、事務手数料が借入額×0.66%という安さなのに、なぜ実質金利が1.340%まで上がってしまったのでしょうか?
それは優良住宅ローンには1位のソニー銀行などに無料でついている団体信用保険料(通称:団信)が別途必要になるためです。団信の毎年の支払いが、優良住宅ローンの実質金利を上げる結果となったのです。
以上、本日はここまで。
住宅ローンの諸費用や実質金利なんてしっかり調べないと気が付きませんよね。金融機関は店頭金利ばかり強調表示して、費用面は超小さいフォントでしか書いてませんし(笑)
新たに家を購入する人、また住宅ローンの借り換えをする人は、今回の投稿を参考に実質金利を含めしっかり比較検討してください。
それでは!
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