前回の投稿ではワインファンドによる投資詐欺事件について書きました。
投資家から集めたお金でワインを買って高値で売り抜けるスキームのはずが、実体は新たに集まったお金を既存のファンドの配当金や償還金にまわすというポンジスキームが行われており、金融庁からお咎めを食らうとすぐに破たんしてしまったという事件でした。
ワインファンドの投稿を受け、最近起きた投資詐欺事件の中でこのブログで取り上げたことの無いものがあるか確認したところ、似たようなスキームで倒産したファンドがありました。
それはラブホテルファンドです。
いかにも儲かるような宣伝文句で多額の資金を集めたあげく倒産してしまいました。
ラブホテルファンドの運営会社
ラブホテルファンドは複数社がファンドを組成し、運営していた時期がありました。代表例としては、グローバル・ファイナンシャル・サポート社とイニシアスター証券が上げられます。
グローバル・ファイナンシャル・サポート社は2007年にラブホファンドを開始し、わずか3年後の2010年に崩壊しました。
グローバル・ファイナンシャル・サポート社が崩壊する前後にイニシアスター証券からラブホテルファンドの募集・運用が開始されましたが、結局2013年にイニシアスター証券が破たんしてしまいました。
ラブホテルファンドの概要
ラブホテルファンドとは、その名のとおりラブホテルに投資するファンドのことです。
ラブホテルファンドの運用の多くはホテル運営による宿泊料:インカムゲインを得ることで成り立っています。
ラブホテルはという聞こえの悪さとは対称的にとても収益率の高いビジネスである!といううたい文句で、当初ラブホテルファンドも有望な投資信託として様々なメディアに取り上げられました。
収益率が高い理由ですが、通常のホテルとは違ってとても回転率がよいビジネスであることが上げられます。ラブホテルはご存知の通り、小一時間利用することが多く、宿泊する人たちはあまり多くありません。
またラブホテル業界というのはシェア1%以上を取っている大手が存在しない業界でもあり、外部からの参入が多くないために競合する相手が少ないため、高い収益を続けることができるようです。
GFSのホテルファンド破たん
2007年に募集が始まった「HOPEシリーズ」は年利8%という高配当を売り文句に、1口50万円で7200口、計36億円の出資を個人投資家から集めました。
最初の2年間は配当があったそうですが、運用期限直前の2010年8月、GFSから投資家に対し、運用期間を延長するか、1口50万円の出資に対し8万24円で償還を受けるかの選択を求める通知があったそうです。
つまり投資元本の16%しか償還できない状態になっていたのです。
GFS側は「物件の資産価値が約3分の1に下がったため」などと説明したそうですが、実態は、HOPEシリーズの対象物件が競売や差し押さえになっていたことが判明しました。
まだ運用期限を迎えていないファンドも、経済的事情を理由に出資者からの中途解約を一方的に停止するなどトラブルが相次いでいました。
金融庁からの指導もあったのちGFS社は清算となりました。
イニシアスター証券の破たん
GFS社のHOPEシリーズを引き継ぐ形でラブホテルファンドの運営を始めたイニシアスター証券ですが、こちらも結局2013年に破たんに追い込まれます。
イニシアスター証券はラブホテルファンド以外にもFX、モンゴル投資など幅広く業務を行っていたため、破たんには様々な要因が関与していたとは思います。
しかしイニシアスター証券については、昨年2015年になって当時の経営者:品野修三容疑者(54)氏を含む5人が逮捕されるという新たな展開がありました。
罪状は、会社の資産と分けて管理しなければならない顧客の金1億円余りを無断で取り崩した金融商品取引法違反の疑いというものでした。
金融商品取引法は、経営破綻などに備えた投資家保護の目的で、証券会社などに顧客の資産を信託銀行などで分別管理するよう義務づけています。
今回の容疑は、品野容疑者らが顧客から預かったお金や、信託銀行から取り崩したお金を運転資金や別の会社への貸し付けに流用していたといった内容です。
つまりラブホテルファンドで集められた投資資金は、本来の目的以外に流用されていた疑いがあるようで、この容疑が定かであれば投資詐欺事件ということになります。
ラブホテルファンドは年利8%を売り文句に多くの資金を集めましたが、美味しい話には裏があるという言葉の典型例のように破たんしてしまいました。
GFS社の投資元本の大幅毀損は原因が分からなかったのですが、イニシアスター証券は資金流用の容疑がかかっており、これが真実ならば投資詐欺事件だったということになります。
この話を調べてちょっと不安になったのが、私も利用するソーシャルレンディング:maneoです。年利8%のファンドが当たり前のように募集されていて、まさかラブホファンドのような顛末にならないよな?と一抹の不安がよぎりました。
これからも最新の注意を払って投資していきたいと思います。
ソーシャルレンディング投資を検討してみては?
ラブホファンドなんていかにもあやしくてニッチな投資商品を検討するくらいなら、世界・日本国内でも注目を集めるソーシャルレンディングの方が私はおすすめです。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングとは、個人投資家が企業や個人へ融資を可能にするプラットフォームです。
融資と言えば、通常は銀行をはじめとした金融機関が行うものですが、ソーシャルレンディングが多数の個人投資家と企業融資を仲介し、新たな投資チャンスを提供してくれます。
ソーシャルレンディングには融資案件ごとに利回りが予め決まっており、投資家は利回りに応じた分配金を得ることができます。
ソーシャルレンディングの利回りは?
ソーシャルレンディング事業者ごと、融資案件ごとに利回りは異なりますが、業界平均利回りは8%前後と言われています。
(参考:クラウドポート社の調査 https://www.crowdport.jp/statistics)
定期預金であれば、利回りが高い銀行でも0.1~0.2%と言われる世の中で、ソーシャルレンディングの利回りの高さは魅力的で、どんどん投資家の数が伸びています。
株式投資ほどの派手な利回りは出ないものの、安定的に平均8%の利回りが出ていると考えると魅力的な投資商品ではないでしょうか。
ソーシャルレンディングのリスク
ソーシャルレンディング投資で注意が必要なのは、融資先企業に貸倒れが出るリスクと、ソーシャルレンディング事業者自体の経営が立ち行かなくなる点です。
他の投資商品と同じく、融資先企業、及びソーシャルレンディング事業者を投資家がしっかり選別する必要があります。
代表的なソーシャルレンディング事業者
ソーシャルレンディング事業者は20を超えるとも言われますが、私も実際に投資している代表的な事業者を紹介しておきます。
例えば・・・
2019年登場にして早くも話題沸騰!funds
1つ目のFunds(ファンズ)は、2019年1月にサービスリリースしたばかりの新しいソーシャルレンディングですが、総額7,000万円超の第一号ファンドが、わずか15分そこらで完売するなど業界で一番話題になっている事業者です。
Fundsを運営するファンズ社はみずほフィナンシャルグループから出資を受けるなど、業界内・外から高い評判を得ています。
海外案件・高利回りファンドが魅力のクラウドクレジット
2つ目のクラウドクレジットは、海外事業者への融資に特化したソーシャルレンディングであり、海外ならではの高利回り案件が魅力です。
また伊藤忠商事やマネックスグループなどの優良企業から出資を受けるなど、業界内・外からの評判も高い事業者です。
業界で最初に運営会社が株式上場したOwnersBook
3つ目のOwnersBookは不動産専門のソーシャルレンディング事業者であり、2017年9月には運営会社のロードスターキャピタル社が東証マザーズ市場に上場しました。
ソーシャルレンディングは、まだまだ新興の投資商品ではありますが、初期からビジネスをしている会社は既に5年以上も実績を出していて、私も含め投資経験者も増えてきました。
世界のソーシャルレンディング市場はもっと進んでいて、日本も今後勢いが増していくと見られている業界なので、投資を検討してみてはいかがでしょうか。
本日はここまで。
それでは!
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