2016年金融危機|米国株式市場が世界経済の鍵を握る?

株式
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6月16日、円高/ドル安が急進行したことで、日本株が大きく売られ、日経平均株価は15,000円台の前半に突入してきました。

日本株は今後どうなるか?

その鍵を握るのはドル/円相場はもちろんのこと、ここまで世界同時株高を引っ張ってきた米国株が大きな要因になることは間違いないでしょう。

そこで今回の投稿では米国株式市場をファンダメンタルズとテクニカルの両面から分析し、米国株の行方を占ってみたいと思います。

米国株の予想をする前にちょっと余談ですが、今月前半に私が日経株価やドル/円の相場予測の投稿をしました。今週の相場はその投稿の内容通りに日経平均が悪い方向に下落しています。

FXのドル/円相場に至っては、「次のサポートライン103円75銭を目指す」といった通りその価格まで円高が進み、リバウンドしました。(ここまで予想がバッチリ当たると気持ちいい♪)

しかし!

この相場の動きを受けて、日本株の所有者らしき人から「お前のせいで損が出た!」というクレームのメールが4通も届きました。

このブログは一個人のつぶやきですから、私の記事なんかで相場は動きません(苦笑) 株価急落に対して穏やかでいられない気持ちは理解しますが、決して私のせいではないのですが。。。

ということで、この先は一投資家の意見を聞いてみたい人だけお読みください。

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米国経済の外観

まずは各種指標からファンダメンタルズ分析を行いたいと思います。

米国経済を見る際、重要視すべきポイントはインフレ・金利・労働に関する指標です。それぞれ現状を見ていきましょう。

インフレ

FRBが注目しているインフレ指標としてコアPCE(食料、エネルギー除く個人消費支出)価格指数がありますが、4月のコアPCEは前年比で+1.6%と市場予想に一致し、3月と同じ伸びとなりました。

政府の思惑通りインフレ指標が推移しているということは、足元の景気は良いことが伺えます。

金利

6月にフィラデルフィアで行われたイエレン議長の講演内容を見ると、金利の引き上げに消極的な内容でした。

4月や5月の講演においてイエレン議長は「数ヶ月以内に利上げすることが妥当だ」と発言していたのに対して、6月の講演では次回の利上げのタイミングについて具体的な言及もありませんでした。

そればかりか、「5月の雇用統計は失望する内容で、景気の低迷の始まりかもしれない」といった弱気な発言さえ述べています。

また、FRBでは中長期の景気見通しに対する不確実性についても時間を割いて議論しているようで、好景気に見えるアメリカでも景気の先行き不安の声が高まっているようです。

不安の要因ですが、国内需要の持続性、中国景気、英国の国民投票など海外に起因するリスク、低い労働生産性、インフレの先行きなどが挙げられています。

労働

4月の求人労働調査によると、求人数は578.8万人(前月比+11.8万人)で市場予想の同567.5万人を上回り、5ヶ月連続の増加となりました。

ただし採用数は前月比-19.8万人と2ヶ月連続で減少しており、採用数に減少傾向が見られるため、労働力の流動性は下がる傾向にあるようです。

ここまでの米国経済の重要指標から、ファンダメンタルズ分析の結果は以下のことが言えます。

インフレ ↗良い 
金利   ↘やや後退
労働   ↘やや後退

米国株価のテクニカル分析

MACD米国ダウ2016-616

(楽天証券のテクニカルチャート機能を利用)

上図は米国ダウ平均株価の2006年~2016年の月足チャートに対して、テクニカルチャートをいくつか足したものです。(図をクリックすれば拡大します)

上段がローソク足と移動平均線、下段がMACDということで、このブログで毎月行う相場予想で使うお馴染みのチャートです。それぞれ見ていきましょう。

ローソク足と移動平均線

MACD米国ダウ2_2016-616

上図は2009年スタートのチャートとなります。

2008年のサブプライムローン問題とリーマンショックを経て2009年に底値を付け、それから米国ダウ平均株価は一貫して上昇を続けています。

チャート上段のローソク足・移動平均線も本当にきれいな上昇チャートであり、2015年以降はいったん揉みあいになっていますが、まだ上向きが優勢な状況です。

MACD

上図の下段がMACDというこのブログではお馴染みのテクニカル指標です。MACDは相場の方向感と転換点を探るのに有効なテクニカル指標です。

現状は青色:短期線と緑色:長期線ともにゆっくり下落傾向にあり、株価が上昇傾向にあるのと比較すると、逆行する形になっています。

株価が上昇傾向でMACDが下落傾向という状況は「底値の堅い相場」を表しています。

言い換えると、上昇相場が一息ついて調整に入ったもののそれほど下落することはなく、なお今後も上昇相場が続くことを示唆しているということです。

米国株価の分析まとめ

2015年以降、米国株価はもみ合い相場で上下動を繰り返してます。

リーマンショックからの回復時期以降、順調に推移していた経済指標ですが、金利や労働に関する指標には懸念が出始めています。

一方でテクニカル分析をした結果、まだ上昇トレンドにあることを示唆しています。

以上より導き出される結論は、米国株価はまだ上昇の余地は残すものの、トレンド転換となる出来事が起きる可能性を注視する必要があるといったものでしょうか。

歯切れの悪い結論ですが、「まだ調子は良さそうだけど、そろそろ下落に転換するかもね」といった感じだと思います。


以上、本日はここまで。

米国株価は日経平均株価と比較すれば圧倒的に状態が良く、その理由は各種経済指標に裏付けられています。しかし、ちょっとした綻びも出始めているようで、そのうち内的 or 外的要因で崩れ始めるかもしれません。

今後もたまには米国株式をウォッチしていきたいと思います。

それでは!

 

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