トヨタファイナンス社が2019年10月に実質0%金利の社債を募集しました。
利回り0%で誰が買うんだよ?と思ってたら、募集総額の2倍の応募が集まり、余裕の売り切れとなったそうです。
なぜ利子の発生しない社債に投資家が殺到したのでしょうか?
金利0%社債の概要
まずは社債がどんな商品か調査してみました。
発行会社:トヨタファイナンス
今回話題となった社債を発行したのはトヨタファイナンス社でした。
ぱっと聞いてお分かりの通り、トヨタ自動車のグループ会社です。
トヨタグループの事業に関わるファイナンスサービスを提供しており、例えばカーローンや住宅ローンといったローン商品、あるいはクレジットカードも発行しています。
![]() (引用:トヨタファイナンスのHPより) |
社債の発行条件
2019年10月に89回と90回の2つの社債が募集されました。
これらのうち0%金利で評判となったのは第89回の方で、総額200億円、期間は3年という条件でした。
ニュースでは0%金利といった触れ込みですが、よくよく見ると利率:0.001%と書いてあるので、厳密には0じゃない気がしますね。
年利0.001%なのに実質0%金利のカラクリ
では、なぜ0%と言われているかというと、発行価格が金額100円に対して100円0銭3厘とあるのがミソです。
これは100円分の価値の社債を100.003円で購入することを意味します。
分かりやすいように金額を引き上げると、100,000円の価値を100,003円で購入することとなり、3円の手数料を支払って100,000円のものを買うイメージですね。
一方で年利0.001%ということは、1年後に受け取る配当金は100,000×0.001%=1円です。
償還時期の3年後に受け取る配当金は100,000×0.001%×3年=3円です。
つまり3円の手数料を支払って買ったものから3年後に3円の配当金をもらって元本が戻ってくるので、1円の儲けもなければ損失もないということになります。
なぜ募集総額の2倍も投資が集まったか?
1円の利益も出ない社債になぜ多くの投資家が殺到したのでしょうか?
普通に考えると意味不明ですよね。
機関投資家の運用先がない!
銀行や保険会社など大口の金融機関は、顧客から預かった資金を何かしらの資産で運用する必要があるのですが、マイナス金利の日本においては安定且つ利益の出る商品が見つかりません。
金利による利益を度外視すれば日銀に預けておくこともできますが、一定額を超えるとマイナス金利が適用され、かえって金利手数料を支払う羽目に合います。
そこでトヨタファイナンスのような倒産する心配が極めて小さい企業の社債に対して、機関投資家のお金が集まる傾向にあります。
ということで応募殺到の理由は、機関投資家が金庫感覚で投資したからという説が妥当でしょう。
日本銀行による買い取りの可能性
もう1つの資金流入理由として、日本銀行が高値で買い取る可能性がある点も挙げられます。
日銀が追加緩和すればゼロ金利社債は値上がりするというのが一般論です。
値上がりすれば、3年という満期を待たずして売却利益を得ることもできます。
金利0%に投資したのは決してバカな投資家ばかりというわけじゃなく、それなりの投資戦略があるのだと感心しました。
社債に似た利回り2%~6%の金融商品
個人投資家としては、やっぱり配当がもらえる社債がいいですよね。
そこで社債に似た商品のFunds(ファンズ)について紹介します。
Fundsはお金を借りたい法人と個人投資家をつなぐ商品です。
資金需要者(借り手)は3ヶ月~12ヶ月程度の借入期間の経過後に元本+利息(分配金)を投資家へ支払います。
利息は2%~6%と株式投資ほどではないのですが、しっかり利益をだせる水準です。
どんな企業がお金を借りてるの?
Fundsでお金を借りている企業は、基本的に上場企業、もしくは非上場であっても成長している有名な会社ばかりです。
これまでの実例をあげると・・・
東証二部上場企業のデュアルタップ社は、マンションブランド「XEBEC」シリーズを手がける国内の不動産デベロッパーです。
アイフルはCMなどでもお馴染みで説明不要でしょうが、東証一部上場の国内最大手ノンバンクです。
LENDYはオンライン融資サービスを提供するベンチャー企業ですが、三菱UFJフィナンシャルのアクセラレータプログラムで優勝するなど、注目度の高いスタートアップです。
こういった企業が利回り2%~6%でお金を借りるということで投資家の信頼も高く、案件が売り出されると即完売になるほど人気です。
筆者も近年トップクラスのおすすめ投資商品です。
=> 貸付投資:Funds(ファンズ)を詳しく知りたい人はこちら
【Fundsとは?に関して筆者なりにまとめました】

以上、本日はここまで。
長文となり恐縮です、お付き合いいただきありがとうございました。
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